非営利のCarbon Mapperがハイパースペクトル衛星等でメタンやCO2を個別施設レベルで検出し、データを迅速公開して企業や規制当局の対応を促進。少数のスーパーエミッターが大量排出を占める事実に注目し、JPLからの技術移転やTanager衛星群により通常12時間以内に処理・24時間以内に通知する運用を目指す取り組みが紹介された。
複数の観測成果が報告されている。Mars: Perseveranceがジェゼロで詳細な岩石観察、Curiosityはboxwork地形の接触観測を継続、InSightデータはマントル内の古代断片を示唆。太陽系外来彗星3I/ATLASはSPHERExが大量のCO2と水氷を検出。木星系ではJunoがカリストのオーロラ“フットプリント”の痕跡を捕らえ、JWSTはNGC 6357など星形成領域の高解像度赤外像を公開している。
いぶきGWに搭載された高性能マイクロ波放射計AMSR3が2025年8月11日より初期観測を開始。従来より高周波(165.5–183.3GHzなど)を追加したことで高緯度降雪、高度別水蒸気、海面水温の高解像度推定が可能になり、全球降水推定や気象予報、漁業支援等への寄与が期待される。AMSR2やGSMaPと連携した校正検証を行い、定常運用へ移行予定。
米格安航空JetBlueがAmazonの低軌道衛星ブロードバンド「Project Kuiper」を機内Wi‑Fiに採用すると発表。導入は2027年から一部機に順次実施し、Kuiper側は2025年内のサービス開始を目指し既に約100基を打ち上げているとの報告がある。航空機向けはLEOを選択し、機内アンテナ搭載で高速接続を提供する計画。
NASAのTechRise Student Challenge(第5回)が公募を開始し、米国内の中高生チームが航空機器向け実験案を応募可能。国内では第6回『きぼう』ロボットプログラミング競技会(Kibo‑RPC)国内予選の映像公開や、JAXAによる大西宇宙飛行士の短尺映像(『靴下を履いてみた』)など教育・普及活動が活発化している。短いアニメや解説動画も複数公開。
中国では四川西昌からの長征3号丙による試験機打ち上げが成功(Shiyan‑29等投入)。一方、Land Spaceの朱雀二号改(ZQ‑2E)改良型の打ち上げ失敗に関する事故報告が公表され、二段の450V母線でのアーク放電が原因と結論付けられた旨が示されている。ほかにCZ‑3C打ち上げの現場映像や、打上げ失敗の解析・対策強化に関する報告が続いている。
NASAとNorthrop GrummanはNorthropの補給機で医療・材料・微生物対策等の実験をISSへ輸送予定。Cygnus(NG‑23)やその他補給ミッションはアルテミス支援や地上応用を見据えた実験(UV除菌、薬物結晶改良、半導体結晶等)を搭載し、9月中旬〜以降の打ち上げが予定されている。
SpaceXがケネディ宇宙センターLC‑39AからFalcon 9で28基のStarlink衛星(Starlink‑299/10‑57)を打ち上げ、1段はドローンシップ「Just Read the Instructions」へ着陸。打ち上げ・回収は同シリーズの節目となり、報道は今回がブースター通算約500回目の着陸狙い/達成であると伝えている。展開後の稼働衛星数は8,300基台に達したと報告されている。
SpaceXはフロリダでのStarship運用拡大に伴い、LC‑39AやSLC‑37の施設整備や大型タンク搬入、クレーン設置などの準備を進行中。FAAはLC‑39A発着(年最大44発・着陸88回想定)に関する環境影響評価(EIS)の公聴会を実施中で、海岸閉鎖・航行規制・生態系や騒音への懸念が寄せられている。意見公募締切は9/22、最終判断は冬頃の見込み。
宇宙安全保障は衛星・インフラ保護、デブリ管理、サイバー対策等が含まれ、日常インフラや防衛への影響が懸念されている。研究面では東北大学が双方向無電極プラズマ推進機を用い、実効減速力を従来約8mNから約25mNへ向上させることで非接触デブリ減速の実証に成功しており、継続的運用を見据えた低コスト技術の進展が報告された。
NASAとNOAAの太陽・宇宙天気関連ミッション(IMAP、Carruthers Geocorona Observatory、SWFO‑L1)が9月23日以降にFalcon 9で地日L1へ打ち上げられる予定。IMAPはヘリオスフィア境界や高感度粒子観測、SWFO‑L1は24/7の宇宙天気監視で衛星・地上インフラの保護に寄与する計画。
NASAはAmit Kshatriya氏をアソシエイト・アドミニストレーター(次官)に任命。Kshatriya氏はジョンソン宇宙センター元所長でArtemis/OrionやISS関連の経験を持ち、月・火星探査推進や計画加速、コスト効率化を期待される人事であると報じられている。
ICEYEの日本法人代表に塚原靖博氏が就任。ICEYEはSARとAIを組合せた『Detect & Classify』サービスを提供し日本での船舶・車両検知など監視能力を強化する狙い。ほかにispaceとDigantaraの月面輸送・SSA協業協議、Orbital Paradigmの小型再突入カプセル試験計画、Fireflyの人材募集など、企業レベルでの事業展開・人員補強が進行している。
SpaceXの無人補給船Cargo Dragon(CRS‑33/NG‑23便相当)がトランク推進系(Draco)を用いた試験的リブーストを実施し、近地点を約1.6km押し上げて軌道を約419.9×412 kmへ修正。従来は主にロシアのProgressが担ってきた軌道維持機能の補完・代替を示す実証で、民間船による定期的なリブースト実施や将来の軌道制御に向けた重要な一歩となる。