宇宙ニュース要約: 2025年09月27日

www.satellitetoday.com

欧州：IRIS²地上セグメント調達とAriane 6供給体制、Seraphimの欧州拠点

EU/ESA関連の動きとして、IRIS²の地上セグメント調達が公示され欧州産業の参加を募集中。ArianeGroupはMT AerospaceへAriane 6向け複数機分の部品発注を行い生産立ち上げを支援。投資・産業連携を目的にSeraphimは欧州子会社を設立し地域での衛星技術関与を強化している。

www.sciencenews.org

天文学・惑星科学の最新研究成果（Gaia塵地図・JWSTなど）

研究成果として、Gaiaの塵3D地図を水素分布に変換して太陽近傍の星形成領域を詳細に再描写する成果、JWSTによる遊離惑星SIMP‑0136の強いオーロラと大気解析、ESO/VLTによる惑星状星雲Abell 33の高解像度画像、アポロ17試料の年代再評価（地殻深部からの掘出し示唆）などが発表され、星形成や月・系外惑星研究の理解が進んでいる。

www.newsweek.com

米国：打上げ規制近代化法案（LAUNCH法案）

米下院にLAUNCH法案が提出され、民間の打上げ・再突入規制や民間リモートセンシングの許認可を簡素化・近代化して米宇宙産業の競争力回復を図る狙い。超党派での進展が注目される。

spaceq.ca

企業と地域連携：MDAとオタワ・セネターズの協業

カナダ企業MDA Spaceはオタワ・セネターズと公式パートナー契約を締結し、会場やデジタル露出を通じたSTEM普及や若年層育成を狙う地域連携施策を展開する。

space.com

エンタメ：『フューチュラマ』シーズン13配信開始

『フューチュラマ』シーズン13がHuluで全10話配信開始。往年の制作陣による風刺とユーモアが継続され、科学を称揚するエピソードも含まれる。

www.satellitetoday.com

ドイツの宇宙防衛投資（2030年まで）

ドイツ政府は2030年までに衛星コンステレーション、地上局、発射能力、偵察・通信・防護など宇宙防衛能力強化へ大型投資を表明。耐攻撃化や冗長化、軍用衛星運用センター整備などが優先され、国内宇宙産業各社への波及が期待されている。

spacenews.com

米軍／防衛分野：「left of launch」（打上げ前阻止）概念の台頭

次世代ミサイル防衛では『left of launch』（打上げ前の阻止）が重要課題となり、宇宙センサーの宇宙化（AMTI等）、サイバー、特殊作戦の統合による早期検知・撹乱、宇宙搭載迎撃やゴールデンドーム等の計画が議論されている。

space.com

短期天文観察案内（天文の日・ハーベストムーン・オリオニッド・月とアンタレス）

天文関連の季節イベント案内：2025年の天文の日は9/27、ハーベストムーンは北半球で10/6満月、オリオニッド流星群は10/2〜11/12で極大は10/20–21頃、また9/27夕に三日月と赤色超巨星アンタレスの接近観察が見られる地域がある。観察機材や観察条件の注意点も提示されている。

space.com

Blue Origin：New Glenn再飛行計画とBE‑7試験動向

Blue OriginはNew GlennでNASA等のペイロード（ESCAPADE等）を搭載する計画を進めているが、初回回収失敗の後の再飛行は遅延。BE‑7月着陸用エンジンの真空試験も実施中で、ホットファイアやフルフロー試験などが継続されている。関連情報は同社発表や業界報道で更新されている。

373news.com

地域話題：種子島の安納いも収穫ピーク

鹿児島県種子島西之表市安納地区で安納いもの収穫がピークを迎えた。地元農場では土壌改良や密閉貯蔵による糖度向上で12月初旬までに数百トンの収穫を見込む。

Relativity Space

Relativity Space：Terran Rの構造公開と採用情報

RelativityのTerran R主要構造（推力構造、タンク、製造手法など）の舞台裏解説が公開され、摩擦攪拌溶接など再使用ロケットの製造課題が紹介された。採用情報や関連動画リンクも案内されている。

english.news.cn

中国：風雲シリーズ気象衛星打上げと神舟20の船外活動

中国は長征ロケットで風雲（Fengyun）系気象衛星（FY‑3H/FY‑3 08など）を相次いで打ち上げ、太陽同期軌道へ投入。中分解能分光器やマイクロ波撮像器などを搭載し気象予報・大気化学・気候変動監視に活用する。一方、神舟20乗組員は天宮で複数回の船外活動（EVA）を行いデブリ防護シールド設置や外部点検を完了した。公式映像はCCTV/CASCなどで公開されている。

space.com

NASA：宇宙飛行士候補選抜と訓練開始

NASAの宇宙飛行士候補（次期クラス）に地質学者などが選ばれ、選抜者たちは今後2年間の訓練を開始する案内が出ている。候補生やSNSフォロー案内など広報も行われている。

www.satellitetoday.com

航空機内衛星通信：United AirlinesのStarlink導入

United AirlinesはFAAから737‑800向けStarlink搭載のSTC認証を取得（地域機の導入も進行中）し、2025年10月15日ニューアーク発で本格運航予定。機内ストリーミングやサービス強化を狙い、MileagePlus会員向け無料提供等の導入計画が示されている。Starlinkの移動利用性能も別に報告されている。

nasa.gov

NASAの教育・普及・契約関連（Dream With Us, Earth to Sky, Centennial等）

NASA関連の教育・普及・技術支援動向：高校・中学生向けの「Dream With Us」エンジニアリング／航空チャレンジやEarth to Sky都市向け研修が実施・拡大。Centennial Challengeの受賞チームによる月面掘削ローバー試験や、ゴダード向け施設管理契約の公示など、教育・地域連携と実地試験・委託契約に関する複数の公式活動が進行中。なおISS向け貨物購入保証の削除など商業支援方針の変更も報じられている。

arstechnica.com

宇宙産業概況の総括（打上げ頻度・各社動向）

業界の概況まとめ：SpaceXは高頻度打上げで優位、AmazonはKuiper衛星の連続打上げを実施、Blue OriginのNew Glennは遅延、欧州のThemis再使用技術や各社の試験・打上げ計画が並行している。業界全体で技術開発と商業化の両面が加速しているとの報告。

nasa.gov

ISS運用・観測活動の最新（写真、クルー研究、再ブースト）

国際宇宙ステーションでは乗組員が地球写真（例：カザフスタン バルハシュ湖）を多数撮影して災害対応等に活用。第73次長期滞在クルーは感覚系や消化、DNAデータ保存への宇宙影響を研究し、SpaceXドラゴンの新ブーストトランクがISS軌道維持（約1.62 m/s）に用いられるなど運用面でも新しい試みが行われている。

www.nasaspaceflight.com

SpaceX（東海岸）：スターシップ施設整備とGigabay建設

SpaceXは東海岸でスターシップ初飛行（2026年目標）に向けた設備整備を進めている。ロバーツロード、LC‑39A、SLC‑37で組立やトレンチ・サービス構造の整備が活発化しており、フロリダGigabayや関連インフラの建設状況が報告されている。

www.teslarati.com

業界・労働環境論争：Astra経営者のSpaceX批判

AstraのCEOが公開の場でSpaceXとStarbaseの労働環境（長時間労働、住居環境等）を批判し、Astraの方が働きやすいとの主張を行った。発言は業界の労務・文化を巡る議論を呼んでいる。

www.scottishdailyexpress.co.uk

スコットランドとOrbex：助成金の回収断念

スコットランド政府はOrbexへ支払った助成金約1,460万ポンドが回収不能であると認めた。Orbexは一部事業を停止して拠点を移転しており、地元の雇用喪失を懸念する声が出ている。

spacenews.com

衛星・宇宙機向け契約・製造（地域PNT、ロボットアーム、プラットフォーム等）

国際・民間の受注と製造動向：UAEのNSSTCとU‑SpaceによるLEONAV向け12U衛星設計・製造契約、Beyond Gravityの小型静止機向け多関節ロボットアーム受注、Lightningプラットフォームの大量生産、主要構造部やタンクの製造・受入試験など、衛星・宇宙機のハード面での商業取引と量産体制が進展している。

space.com

ESAのエンケラドス探査（Voyage 2050）検討

ESAはVoyage 2050の一環で、土星の氷衛星エンケラドスへ生命探査を行うオービター＋着陸機ミッションを検討。南極の噴出物採取や着陸を目標に複数回の打上げと長期航行を想定した概念検討が進んでいる。

space.com

フィクション生物の科学的評価（『Alien: Earth』）

作品『Alien: Earth』に登場する生物群について科学者らが物理・化学・代謝・進化の観点から評価。巨大吸血ダニ型が現実性高め、急速成長ゼノモーフは質量・エネルギー収支から実現性が低い等の結論が示された。

space.com

玩具レビュー：Lego Duplo 3‑in‑1 Space Shuttle Adventure

58ピース構成のDuploセットは価格はやや高いが堅牢で色鮮やか、未就学児の想像力喚起に適すると評価。組立の難易度や付属の遊具構成が紹介されている。

space.com

基礎天文学の豆知識：月の遠ざかり

月は年間約3.8cmずつ地球から遠ざかっており、レーザー反射による精密測定で確認されている。潮汐の相互作用が原因で地球の自転がわずかに遅くなるという説明が示されている。

space.com

カメラ機材レビュー：Viltrox AF 35mm f/1.2 LAB FE

Viltroxの35mm F1.2超大口径単焦点レンズは天体撮影や低照度に強くコスパに優れるが重量が大きく周辺描写に課題があるとの評価。Sony FE専用で多機能リング等を搭載する。

sorae.info

Artemis II：乗組員公表と打上げ窓

NASAはArtemis IIの乗組員を発表し、有人月周回ミッションの打上げを早ければ2026年2月、遅くとも2026年4月と公表。オリオン宇宙船やミッション目標、関連の事前試験進捗を含む報道が出ている。関連の解説ポッドキャスト等で詳細が補足されている。

373news.com

地域金融動向：九州FGの証券業務展開

九州FGは証券業務を自前で展開し、預金・融資に加えて資産運用まで手掛けることで資金力を強化。預かり資産は九州で大きな規模に近づいているとの分析記事がある。

www.livescience.com

火星試料帰還の遅延と中国の天問3計画

NASA主導の火星試料帰還（MSR）は複雑化と費用超過で遅延しており、現時点でパーサヴィアランスの採取試料は地上に戻っていない。一方、中国は天問3でより単純な回収方式を掲げ2028年打上げ～2031年帰還を目指しており、先行の可能性が指摘されている。