宇宙ニュース要約: 2025年10月13日

ispace-inc.com

ispaceの次世代月着陸機Series 3、JAXAで環境試験を完了

ispaceが開発中の次世代月着陸機「Series 3」の構造熱モデルが、JAXAの施設で振動・音響・熱真空試験を完了しました。これにより、打ち上げ時の振動や、月面の極端な温度環境（+130℃から-140℃）への耐性が確認されました。Series 3は経済産業省のSBIRプログラムから最大120億円の支援を受け、2028年のMission 4での使用を目指しています。

solestial.com

Solestial、EnduroSatに自己修復機能を持つ太陽電池を供給

太陽電池開発のSolestialは、小型衛星メーカーのEnduroSatと、耐放射線シリコン製フレキシブル太陽電池モジュールの供給契約を締結しました。この太陽電池は太陽光で放射線損傷を自己修復する特徴を持ち、2026年前半に打ち上げ予定のEnduroSat製小型衛星「FRAME」の主電源として使用されます。

www.floridatoday.com

SpaceX、AmazonのProject Kuiper衛星打ち上げを10月13日に再設定

SpaceXは、ケープカナベラル宇宙軍基地からファルコン9ロケットによるAmazonのProject Kuiper衛星24基の打ち上げを、数日の延期を経て10月13日20:08(ET)に再設定しました。延期の理由は公表されていませんが、荒天によるブースターの海上ドローン船「A Shortfall of Gravitas」への着艦リスクが指摘されています。打ち上げ自体の天候は95%良好ですが、ブースター回収のリスクは中〜高程度とされています。このミッション(KF-03)により、Project Kuiperの軌道上衛星は129基となります。

press.ariane.group

ArianeGroupのマルタン・シオンCEO、任期満了で退任へ

ArianeGroupは、現CEOのマルタン・シオン氏が任期の更新を求めず、2026年3月の任期満了をもって退任すると発表しました。後継者は取締役会によって任命される予定です。

CNSA Watcher

天宮宇宙ステーション、神舟20号の宇宙飛行士が活動中

中国の天宮宇宙ステーションでは、神舟20号ミッションの宇宙飛行士たちが軌道上での実験や訓練を行っており、作業は順調に進んでいると報告されています。

www.chinatalk.media

米中、宇宙資源の法的枠組みを巡り対立

米国と中国は、宇宙資源の採掘や利用に関する法的な秩序形成を巡って対立しています。既存の宇宙条約が現代の技術に対応していないため、米国は国内法（SPACE Act）やアーテミス協定を通じて主導権を握ろうとする一方、中国は国連での交渉や独自の月探査計画を通じて規範形成を目指しています。合意形成がなされなければ、宇宙資源が一部の国に独占されるリスクが懸念されます。

米FCC、宇宙経済強化に向けた規制改革「スペース月間」を発表

米連邦通信委員会(FCC)のブレンダン・カー議長は、米国の宇宙経済を強化するための規制改革案「スペース月間」を発表しました。主な内容として、衛星関連の許認可プロセスの迅速化や、地球局の規則見直しによる手続きの簡素化などが含まれており、事業者にとって有利な環境を整備する狙いです。

www.theguardian.com

10月14日未明、月と木星がふたご座の星々と接近

10月14日の未明、東の空で下弦に近い月が、明るく輝く木星と、ふたご座の1等星であるカストルとポルックスに接近する様子が観測できます。この天体ショーは夜明け前まで見ることができ、南半球でも観測可能です。

www.thalesaleniaspace.com

ESA、豪州に4基目の深宇宙アンテナ(NNO-3)を新設

欧州宇宙機関(ESA)は、西オーストラリア州の新ノルシアに4基目となる深宇宙アンテナ「NNO-3」を披露しました。口径35mのこのアンテナはESTRACKネットワークを強化し、EuclidやExoMarsなどのミッションの通信・観測能力を向上させます。既にEuclidからの初信号を受信しています。

g.fixupx.com

SpaceX、スターシップ11回目の試験飛行を10月13日に実施予定

SpaceXは、テキサス州スターベースから11回目となるスターシップの試験飛行を10月13日19:15(ET)に実施予定です。これは現行のStarship V2構成での最終飛行となり、打ち上げウィンドウは75分間、天候は80%良好と予測されています。ミッションでは、Super Heavyブースターの新しい着陸燃焼シーケンス（13基→5基→3基）や、上段シップのラプターエンジン再点火、模擬スターリンク衛星の展開、耐熱シールドを一部取り外した状態での再突入試験、動的バンキングなどが検証されます。シップはインド洋への着水を目指します。この打ち上げはフロリダの観光にも大きな影響を与えると見られています。

aviationweek.com

Planet、1m級解像度の新衛星「Owl」を開発中

地球観測企業のPlanetは、既存のSuperDove衛星を発展させた新しい衛星「Owl」を開発中です。Owlは近毎日の頻度で1m級の解像度を持つ画像を低遅延で提供し、AIによる機上解析機能も搭載します。技術実証は2026年末を目指しています。

spacenews.com

JAXA、Rocket LabのElectronロケットで衛星打ち上げ契約を締結

JAXAは、国産小型ロケットEpsilonの運用停止を受け、米国のRocket Lab社とElectronロケットによる2件の専用打ち上げ契約を締結しました。2025年12月に技術実証衛星「RAISE-4」を、2026年に8基のキューブサットを、それぞれニュージーランドのLaunch Complex 1から打ち上げる予定です。

ispace-inc.com

ispace、東京科学大学と連携し月地下資源探査プロジェクトに参加

ispaceは、東京科学大学（Institute of Science Tokyo）と契約し、宇宙戦略ファンドの「テラヘルツリモートセンシング衛星」プロジェクトでコアパートナーを務めます。約64億円の資金が割り当てられ、ispaceは衛星開発、打ち上げ輸送、運用を担当し、月の地下資源（特に水）の探査を目指します。

ISRO

インド宇宙研究機関(ISRO)、X線天文ミッション「XPoSat」の科学データを公開

インド宇宙研究機関（ISRO）は、X線天文ミッション「XPoSat」で取得した科学データ（約143GB）を一般公開しました。データはインド宇宙科学データセンター（ISSDC）のポータルからアクセス可能で、観測提案の公募も開始されています。

www.floridatoday.com

Blue Origin、ケープカナベラルにロケット整備施設を建設予定

Blue Originは、フロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地のLaunch Complex 36近くに、垂直型ロケットの整備施設を建設する計画です。この施設は「Project Alpha」と名付けられ、大小のロケット部品の修理、再生、再利用を目的としており、同社のフロリダにおける事業拡大の一環です。

ispace-inc.com

ispace、栗田工業や高砂熱学工業などから資金調達

ispaceは、第三者割当増資により栗田工業から約20億円、高砂熱学工業から約3億円の資金調達を実施しました。これらの資金は2027年のMission 3および2028年のMission 4の開発と財務基盤の強化に充てられます。両社とは月面での水資源利用や熱制御技術で協力を深め、月面での水回収・浄化技術の実用化を加速させます。

spacenews.com

MomentusとSolstar Space、低軌道での通信・輸送サービスで提携

宇宙輸送サービスのMomentusと宇宙通信のSolstar Spaceは、低軌道（LEO）での通信、輸送、インフラサービスを統合するための3年間の相互サービス契約を締結しました。契約規模は最大1500万ドルで、継続的なデータ中継や軌道上での給油・修理などのサービス向上を目指します。

space.com

アポロ17号の未開封の月試料から硫黄同位体の特徴を発見

アポロ17号で採取され、これまで未開封だった月の試料を分析した結果、地球と比較して硫黄同位体の一種である硫黄-33が少ないことが判明しました。この原因として、月が原始惑星テイア由来の成分を多く含む可能性や、初期の月の薄い大気中での化学反応によって硫黄-33が失われた可能性が考えられています。

www.cnn.com

NASAのアルテミス計画、月着陸船Starshipの開発遅延で懸念

NASAがアルテミスIIIミッションの月着陸船として採用したSpaceXのStarshipは、試験飛行での失敗が続いており、実用化には軌道上での燃料補給など未検証の課題が多く残っています。特に燃料補給は10回から40回以上必要との試算もあり、計画の大幅な遅延が懸念されています。

space.com

オリオン座流星群、2025年10月20-21日に極大

ハレー彗星を母天体とするオリオン座流星群が、2025年10月20日から21日にかけて極大を迎えます。活動期間は10月2日から11月7日で、今年は月明かりの影響がなく観測に適しています。条件が良ければ1時間に10〜20個の流れ星が見られると予測されています。

China 'N Asia Spaceflight 🚀𝕏 🛰️

中国、長征2Dロケットで試験31号衛星の打ち上げに成功

中国は2021年10月13日19時（日本時間）、酒泉衛星発射センターから長征2D Y92ロケットを使用し、試験31号衛星の打ち上げに成功しました。

space.com

RMIT大学、バクテリア胞子がロケット飛行の過酷な環境に耐えることを実証

オーストラリアのRMIT大学の研究チームは、バクテリアの一種であるBacillus subtilisの胞子を音速ロケットで打ち上げ、強い加速や微小重力といった実飛行環境に曝露させる実験を行いました。回収された胞子は損傷なく増殖し、宇宙飛行の過酷な条件に耐えることが初めて実証されました。この成果は将来の長期宇宙探査に役立つと期待されます。

koreajoongangdaily.joins.com

韓国政府、Starlinkの越境サービス協定承認が拙速だったとの批判

韓国政府が5月にSpaceXの子会社Starlink Koreaとの越境サービス協定を承認したことに対し、市場への影響評価などの研究が9月に着手されたことから、承認が拙速だったとの批判が出ています。低軌道衛星通信は期待される一方、データ保護や安全保障上の懸念も指摘されています。

press.ariane.group

ArianeGroup、SabcaとAriane 6エンジン部品の供給契約を締結

ArianeGroupは、ベルギーのSabca社と、Ariane 6ロケットの運用段階（16号機から42号機）で使用される主エンジン用ノズル起動システムの供給契約を2025年10月6日に締結しました。この契約は長年の協力関係に基づくもので、欧州の自律的な宇宙アクセス確保に貢献します。

www.thalesaleniaspace.com

Thales Alenia Space、ローマに最先端の「Space Smart Factory」を開所

Thales Alenia Spaceは2025年10月7日、ローマに最先端の「Space Smart Factory」を開所しました。1億ユーロ超が投じられたこの工場は、デジタル化とロボット化により、最大300kg級の小型衛星を年間100基以上生産可能です。Sicral 3や次世代Galileo、Copernicusなどのミッションに対応します。

arkedgespace.com

ArkEdge Space、JAXAからLEO-PNTシステムの基盤技術調査を受託

ArkEdge Spaceは、JAXAから「専用LEO-PNTシステムの実現に向けた基盤技術等に係る調査」業務を受託しました。このプロジェクトは、低軌道（LEO）衛星群を用いて、既存のGNSSに依存しない高精度かつ高強度な測位・航法・時刻同期（PNT）サービスの実現を目指すものです。

ispace-inc.com

ispace、国内外で月輸送サービス契約を相次いで締結

ispaceは月面輸送サービス事業をグローバルに拡大しています。台湾宇宙機関(TASA)とは観測機器を2028年のMission 4で輸送する契約（約800万ドル）を締結見込みです。韓国のUELとは2027年以降に最大2台の2輪ローバーを輸送する契約を締結しました。欧州ではTelespazioと月周回通信・航法サービスでの協力を検討するLOIを締結し、ispace-EUROPEはMagna Petraと契約してNASAの質量分析計をMission 3で月面に運びます。

www.eurekalert.org

ExoMars計画のローバー試験モデルにアベリストウィス大学製分光器が出荷

ESAの火星探査計画「エクソマーズ」のローバー「ロザリンド・フランクリン」の地上試験モデル向けに、英国アベリストウィス大学が開発した赤外分光器「Enfys」が出荷されました。Enfysはローバーが生命の痕跡を探すために掘削する地点の特定を支援します。

space.com

Vera Rubin Observatory、10年間の全天サーベイ観測を開始

チリに建設されたVera Rubin Observatoryは、LSST（Legacy Survey of Space and Time）プロジェクトの一環として、10年間にわたる全天サーベイ観測を開始しました。Simonyi Survey Telescopeを用いて3日ごとに全天を撮像し、小惑星や超新星の追跡、ダークマターやダークエネルギーの謎の解明を目指します。

www.cls.fr

CLS、衛星IoT企業のGround Controlを買収し事業強化

衛星サービスプロバイダーのCLSは、英国と米国の衛星IoT端末・クラウド管理専門企業であるGround Controlを買収しました。この買収により、CLSは衛星IoTと環境監視能力を強化し、端末からプラットフォームまでの一貫したソリューション提供を目指します。