NASAのトランジット系外惑星探索衛星(TESS)が、約190光年離れた連星系「TOI-2267」で、地球サイズの惑星を3つ発見しました。2つの惑星が一方の恒星を、もう1つの惑星がもう一方の恒星を周回しており、両方の恒星で惑星のトランジットが確認されたのはこれが初めてです。この発見は、惑星形成理論に新たな知見をもたらす可能性があります。
中国の商業宇宙分野に新たな企業「安徽空間致航科技有限公司」が参入し、液体燃料ロケット「致航一号」を開発中です。直径3.35mのこのロケットは、国家宇宙機関から供給されたYF-102エンジンを搭載し、2025年末までの初打ち上げを目指しています。国家のサプライチェーンへのアクセスを持つ新興企業の登場として注目されています。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)と国土交通省道路局は、災害発生時における人工衛星画像データの活用に関する協定を締結しました。この協定に基づき、「だいち2号」および「だいち4号」のレーダー衛星を用いて、夜間や悪天候時でも道路被害の状況を迅速に把握する体制を構築します。これにより、災害対応の迅速化と効率化が図られます。
衛星通信企業Iridiumが、小型(8x8mm)の測位・航法・時刻同期(PNT)専用ASICを発表しました。このチップは、同社の衛星網から暗号化された信号を受信し、GPSより約1000倍強力な信号強度で屋内での利用も可能です。消費者向け機器から重要インフラまで幅広い応用が期待され、2026年中頃の商用化を目指しています。
ヨーロッパ南天天文台(ESO)の可視光・赤外線天体分光サーベイ望遠鏡(VISTA)に搭載された観測装置「4MOST」が、2,400本の光ファイバーを全て使用した初の観測に成功しました。一度に広範囲の天体の光を同時に取得し、それぞれの組成や温度、速度を分析できます。今後10年間で数百万の天体を観測し、宇宙の進化や暗黒エネルギーの研究に貢献することが期待されます。
米国防総省(ペンタゴン)が、SpaceXによるカリフォルニア州のヴァンデンバーグ宇宙軍基地からの年間打ち上げ回数を倍増させる計画を承認したと報じられました。これにより、カリフォルニア中央海岸におけるロケット打ち上げ活動がさらに急増することになります。
中国は10月26日、西昌衛星発射センターから長征3号B/Eロケットを使用し、光学立体地図衛星「高分14-02号」の打ち上げに成功しました。衛星は太陽同期軌道に投入され、既存の高分14号衛星と連携して高解像度のデジタル地形図や標高モデルを作成します。このデータは国家計画や「一帯一路」構想に活用される見込みです。
中国科学院系の商業ロケット企業CAS-SPACEは、今年末に初飛行を予定している液体燃料ロケット「Kinetica-2」専用の新発射台の作業を完了しました。同社は商業打ち上げ市場での競争力強化を目指しており、インフラ整備を着実に進めています。
SpaceXは、次世代大型宇宙船Starshipの改良版「V3」の初飛行を2026年初頭に目指し、テキサス州のStarbaseで準備を進めています。発射台Pad1は解体・改修が進められており、Mega Bayではブースターやシップの組み立てが進行中です。また、McGregor施設ではRaptorエンジンの燃焼試験も行われています。
SpaceXの衛星インターネット「Starlink」の中央値ダウンロード速度が、今年に入り約160Mbpsから210~220Mbpsへと約50%向上しました。また、フロリダのネットワーク企業MTNは、Starlinkの通信を地上キャリア網に直接接続する新サービス「StarEdge Horizon」を開始し、エネルギーや建設業界向けに低遅延な通信を提供します。
SpaceXは2025年10月27日から28日にかけて、カリフォルニア州のヴァンデンバーグ宇宙軍基地からファルコン9ロケットによるStarlink衛星の打ち上げを複数回実施しました。一連のミッションで合計28基および24基の衛星が低軌道へ投入され、第1段ブースターの無人船への着陸も成功しています。準備時間は約56時間、パッドの転換時間は8時間以上短縮されるなど記録的な速さで運用されており、同基地からの打ち上げ活動の急増を裏付けています。これによりSpaceXのファルコン9の年間打ち上げ回数は137回に達しました。
日本のロケットスタートアップであるスペースワンは、和歌山県在住・通勤・通学者を対象に、応援メッセージをカイロスロケット3号機に搭載して宇宙へ届ける「地元メッセージ打上げプロジェクト」を発表しました。合計3,000件のメッセージを特製シールに刻印し、機体に貼り付けて打ち上げる計画で、募集は11月30日まで行われます。
ウクライナで使用されている軍事用の無人地上車両(UGV)が、SpaceXのStarlinkの帯域制限により、高速走行時の遠隔制御に支障をきたしていると報じられています。映像の低フレームレート化が原因で、車両の速度が時速約10kmに制限されているとのことです。開発者はAIによる自律航法などでこの問題に対処しようとしています。
JAXAは、同機関の宇宙飛行士を装ったソーシャルメディアのなりすましアカウントから、ダイレクトメッセージ(DM)が送られる事例が確認されたとして注意を呼びかけています。JAXAは、不審なDMには返信せず、個人情報などを入力しないよう警告しており、公式アカウント以外からの連絡には注意が必要です。
ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)は、悪天候のため、アトラスVロケットによる通信衛星「ViaSat-3 F2」の打ち上げを延期しました。新たな打ち上げ予定日は、早ければ2025年11月5日となります。打ち上げはフロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地から行われる予定です。
高速の太陽風が地球に到来することにより、10月28日から29日にかけて、米国のアラスカ、モンタナ、ノースダコタなど北部14州でオーロラが観測できる可能性があります。米海洋大気庁(NOAA)は小規模から中規模の磁気嵐を予測しており、条件が良ければ鮮やかなオーロラが見られるかもしれません。
国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中のロシアの宇宙飛行士セルゲイ・リジコフ氏とアレクセイ・ズブリツキー氏が、10月28日に約6時間の船外活動を行う予定です。活動中、両名はナウカ多目的実験モジュールへの実験機器設置や、欧州ロボットアームの制御盤移設などを行います。これはISS通算277回目の船外活動となります。
ホワイトハウスは10月26日、マレーシアとフィリピンが月探査に関する国際協力の枠組み「アルテミス合意」に署名したと発表しました。これにより、署名国は合計59カ国となりました。この合意は、宇宙活動の透明性、科学データの共有、宇宙資源の責任ある利用などを原則として定めており、国際的な宇宙探査協力の基盤となっています。
日本の宇宙ビジネス市場の拡大に伴い、人材育成の動きが活発化しています。Space BD社は、衛星開発の即戦力人材を育成するプログラム「HURDLES」を発表しました。一方、政府は宇宙戦略基金(約1兆円)を活用し市場倍増を目指しており、内閣府が策定した「宇宙スキル標準」は、他業界からの転職を促進し、技術継承の課題解決に貢献することが期待されています。
2025年10月26日、H3ロケット7号機が種子島宇宙センターから新型宇宙ステーション補給機1号機(HTV-X1)を搭載して打ち上げられました。ロケットは正常に飛行し、約14分後にHTV-X1を所定の軌道へ分離・投入することに成功しました。これによりH3ロケットは5機連続での打ち上げ成功となり、成功率は約83.3%に達しました。HTV-X1は10月30日に国際宇宙ステーション(ISS)に到着する予定です。新たな「24形態」での打ち上げ成功は商業需要からも注目を集めています。
日本旅行と将来宇宙輸送システム(ISC)は、宇宙旅行および宇宙経由の高速地上間輸送の商用化に向けた体制構築を発表しました。2030年代に東京とロサンゼルスを60分以内で結ぶことを目指しており、2026年度には優先申込を開始する予定です。当初の想定価格は約1億円で、再使用型ロケットの活用が価格低減の鍵となります。
米連邦政府の閉鎖により、コロラド州のバックリー宇宙軍基地周辺の小規模店舗が深刻な経済的打撃を受けています。軍人や基地職員の客足が途絶え、一部のカフェでは売上が52%減少するなど、地域経済への影響が広がっています。店主らは軍人の給与停止や年末商戦への影響を懸念しています。
宇宙インフラ企業Voyager Technologiesは、電気推進システムを開発するExoTerra Resourcesの買収を発表しました。ExoTerraは、小型衛星向けのホールスラスタなどを開発し、米国防総省宇宙開発庁(SDA)やNASAに供給実績があります。この買収により、Voyagerは国家安全保障分野への事業展開を強化する狙いです。
欧州宇宙機関(ESA)は、三井不動産が運営する東京・日本橋の「X-NIHONBASHI TOWER」内にアジア初となる拠点を開設しました。この拠点は、日欧の宇宙ベンチャーや企業間のマッチング、共創プログラムの推進、政府機関との調整などを行います。これにより、日本橋エリアが宇宙ビジネスの国際的なハブとしてさらに発展することが期待されます。
Arianespaceは、2025年11月4日にアリアン6ロケットによるVA265ミッションの打ち上げを予定しています。このミッションでは、欧州の地球観測計画「コペルニクス」のSentinel-1D衛星が搭載されます。衛星は既にロケットのフェアリング内に収容されており、打ち上げに向けた準備が最終段階に入っています。打ち上げの様子はオンラインで配信される予定です。