中国の民間宇宙企業である天兵科技(Space Pioneer)が、開発中の再使用型ロケット「天竜3号」の第1段を酒泉衛星発射センターへ輸送していることが確認された。天竜3号は、SpaceXのファルコン9に対抗することを目指して開発が進められている。
United Launch Alliance(ULA)は、ケープカナベラル宇宙軍基地から予定していたAtlas VロケットによるViaSat-3 F2衛星の打ち上げを、2夜連続で中止した。原因は、ブースターの液体酸素タンクのベントバルブに不具合が再発したため。ULAは機材を評価し、新たな打ち上げ日を発表する予定。打ち上げウィンドウ中の天候も悪く、好天確率は低い状態だった。
SpaceXはテキサス州のスターベース施設で、次世代の完全再利用型ロケット「スターシップ」の改良版であるV3の開発を進めている。新しい後部試験タンクの構造試験準備や、2機目となるシップ(Ship 40)の組み立てが同時に行われるなど、開発が加速している様子が確認されている。
JAXAは、ウェザーニューズなど3社と共同で、ドローンと有人航空機が安全かつ効率的に共存できる運航調整システム「DOER」の有効性を実証した。大阪・関西万博のような大規模イベントでの警備を想定した模擬実証で、社会実装に必要な性能評価を得た。今後は災害対応などへの応用拡大を目指す。
SpaceXは2025年11月6日、カリフォルニア州のヴァンデンバーグ宇宙軍基地からファルコン9ロケットを打ち上げ、28基のスターリンク衛星を低軌道に投入した。8回目の飛行となる第1段ブースター「B1093」は、太平洋上の無人船「Of Course I Still Love You」への着艦に成功した。
中国の火星探査機「天問1号」が、太陽系外から飛来した3例目の星間天体である彗星「3I/ATLAS」を、火星周回軌道上から高解像度カメラで撮影した。公開された画像からは、核と数千kmに広がるコマが確認できる。この観測は天問1号の延長ミッションの一環として行われ、将来の探査ミッションに向けた技術蓄積にも貢献した。
11月5日に発生したM7.4の太陽フレアに伴うコロナ質量放出(CME)が地球に到達し、G3(強)レベルの地磁気嵐が発生した。この影響で、米国ではイリノイ州など通常より低緯度の地域を含む22州でオーロラが観測される可能性が報じられた。地磁気活動は週末まで続く可能性があり、衛星航法や通信への影響が懸念されている。
ブリティッシュ・エアウェイズやイベリア航空などを傘下に持つ航空グループIAGは、保有する500機以上の航空機にSpaceXの衛星ブロードバンドサービス「Starlink」を導入する契約を締結した。導入は来年から開始され、欧州の航空グループとしては最大規模の高速Wi-Fi提供体制となる見込み。
EchoStarは、未対合のAWS-3周波数帯ライセンスを、約26億ドル相当のSpaceX株式と引き換えに売却する契約を締結した。この取引により、SpaceXはスターリンク衛星を利用したスマートフォン向け直接通信サービス「Direct to Cell」を強化する狙いがある。取引は規制当局の承認を待っている状態。
ドナルド・トランプ氏が、億万長者で民間宇宙ミッションの経験を持つジャレッド・アイザックマン氏を次期NASA長官に再び指名した。アイザックマン氏は5月に一度指名が撤回されていたが、再指名された。彼はSpaceXとの関係が深く、NASAが抱える予算削減や主要プロジェクトの遅延といった課題への対応が注目される。また、官僚削減や科学の商業化などを盛り込んだ改革案「Athena」の存在も報じられている。
インド宇宙研究機関(ISRO)は、2030年に火星探査ミッション「マンガルヤーン2号」を打ち上げる計画を正式に発表した。このミッションでは、周回機に加えて着陸機と小型ローバーを投入し、インド初の火星へのソフトランディングを目指す。設計は既に開始されており、国際協力も模索している。
米連邦航空局(FAA)は、政府閉鎖による航空管制官の不足を理由に、11月10日から現地時間の午後10時から午前6時までの商業ロケット打ち上げを禁止する緊急命令を発表した。この前例のない措置は、SpaceXのスターリンクミッションやBlue Originのニューグレン打ち上げなどに影響を与える可能性がある。FAAは資金が回復次第、制限を解除するとしている。
Rocket Labは11月5日(日本時間6日)、ニュージーランドの射場からElectronロケットを打ち上げ、日本のQPS研究所が開発した小型SAR衛星「QPS-SAR-14(ヤチホコ-I)」を予定軌道へ投入することに成功した。これはElectronにとって今年16回目のミッションであり、QPS研究所が目指す36機の衛星コンステレーション構築に向けた一歩となる。
欧州連合(EU)が提案している衛星運用や軌道デブリ管理などを包括的に規制する法案「EU Space Act」に対し、米国が強く反発している。米国は、この法案が米企業にとって差別的で非関税障壁となり、イノベーションを阻害する可能性があると批判。宇宙空間のガバナンスを巡る両者のアプローチの違いが浮き彫りになっている。
Blue Originは、大型ロケット「New Glenn」の2回目の打ち上げを11月9日にケープカナベラル宇宙軍基地から実施する予定。今回はNASAの火星探査ミッション用の双子探査機「ESCAPADE」を搭載する。1月の初飛行では第1段ブースターの回収に失敗しており、今回は回収の再挑戦にも注目が集まっている。