宇宙ニュース要約: 2025年11月15日

SpaceX、フロリダからファルコン9ロケット2機を約3時間半の間隔で連続打ち上げ

SpaceXは11月15日、フロリダ州のケネディ宇宙センターとケープカナベラル宇宙軍基地から、ファルコン9ロケットを約3時間36分の短時間のうちに2機連続で打ち上げました。それぞれの打ち上げで29基、合計58基のスターリンク衛星が低軌道に投入され、衛星コンステレーションをさらに拡大しました。両方の第1段ブースターは、大西洋上のドローン船への着陸に成功しています。

www.isro.gov.in

インドの月探査機チャンドラヤーン3号の推進モジュールが月周辺で軌道実験を実施

2023年8月に月面着陸に成功したインドの探査機「チャンドラヤーン3号」の推進モジュールが、地球周回軌道へ移行後、11月上旬に再び月の重力圏に再突入し、フライバイ観測を実施しました。インド宇宙研究機関(ISRO)は、このユニークな軌道マヌーバにより、将来の惑星間ミッションに向けた航法や軌道力学に関する貴重なデータを取得したと発表しました。

space.com

Blue Origin、New GlennロケットでNASAの火星探査機ESCAPADEを打ち上げ、ブースターの海上着陸に初成功

Blue Originは11月13日、大型再利用ロケット「New Glenn」の2回目の打ち上げに成功しました。このミッションでは、NASAの双子の火星探査機「ESCAPADE」を所定の軌道へ投入し、第1段ブースターを大西洋上の回収船「Jacklyn」へ垂直着陸させることにも初めて成功しました。これはロケットの再利用に向けた重要なマイルストーンであり、SpaceXとの競争において大きな前進となります。Rocket Labが製造したESCAPADEは、2027年に火星に到着し、太陽風が火星の大気に与える影響を調査する予定です。打ち上げは太陽嵐の影響で数日間延期されていました。

nasa.gov

NASAとESAの海面観測衛星「Sentinel-6B」が11月17日に打ち上げ予定

地球の海面水位を高精度で観測する国際協力ミッションの衛星「Sentinel-6B」が、日本時間11月17日にカリフォルニア州のヴァンデンバーグ宇宙軍基地からSpaceXのファルコン9ロケットで打ち上げられる予定です。このミッションは、30年以上にわたる海面水位の観測記録を継続するもので、気候変動の監視や気象予報の改善に貢献します。NASAは打ち上げのライブ中継を予定しています。

www.satellitetoday.com

FCC、衛星通信の効率化を目指し「EPFD」規制の見直しを開始

米連邦通信委員会（FCC）は、非静止軌道（NGSO）衛星システムの高出力運用を制限しているEPFD（等価電力束密度）規制の見直し手続きを開始しました。現行規制が技術革新を妨げ、ブロードバンドサービスの品質向上や効率的な周波数利用の障壁になっている可能性があるとの指摘に対応するもので、米国の宇宙産業における競争力維持を目指します。

spacenews.com

ULA、アトラスVロケットで通信衛星「ViaSat-3 F2」の打ち上げに成功

United Launch Alliance (ULA)は11月13日、ケープカナベラル宇宙軍基地からアトラスVロケットを打ち上げ、Viasat社の通信衛星「ViaSat-3 F2」を所定の軌道に投入することに成功しました。この衛星は、南北アメリカ大陸に高速ブロードバンドサービスを提供することを目的としています。シリーズ初号機がアンテナ展開に失敗していたため、この2号機の成功は同社にとって重要です。

nasa.gov

ISS第73次長期滞在クルー、心血管研究や宇宙服整備、きぼうへの機器設置を実施

国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中の第73次長期滞在クルーは、無重力環境が心臓機能に与える影響を調べるための超音波検査や、宇宙服の生命維持装置の交換など、様々な科学研究とメンテナンス作業を行いました。JAXAの油井亀美也宇宙飛行士は、日本の実験棟「きぼう」に将来の探査ミッションで利用される二酸化炭素除去システムを設置しました。

english.news.cn

中国の神舟20号、宇宙デブリ衝突の疑いで帰還船を変更し、神舟21号で無事帰還

中国の宇宙ステーション「天宮」に滞在していた神舟20号の乗組員3名が、11月14日に地球へ無事帰還しました。当初使用予定だった神舟20号の帰還カプセルの窓に、宇宙デブリの衝突によるとみられる微小な亀裂が発見されたため、急遽ドッキング中の神舟21号に乗り換えての帰還となりました。乗組員の健康状態は良好と報告されています。損傷した神舟20号は軌道上に留まり、実験を継続します。この事態は、低軌道における宇宙デブリ問題の深刻さを改めて浮き彫りにしました。

www.scmp.com

中国国営企業CASC、約14万ドルからの民間向け亜軌道宇宙旅行計画を発表

中国の国営宇宙大手、中国航天科技集団（CASC）が、再利用型ロケットを使用した民間向けの亜軌道宇宙旅行サービスを提供する計画を発表しました。料金は一人あたり約100万元（約14万米ドル）からと見られており、急成長する中国の商業宇宙市場における新たな動きとして注目されています。

www.wired.com

米司法省、東南アジアの詐欺拠点で使われるStarlink端末に差押令状

米司法省が、ミャンマーなど東南アジアのサイバー犯罪拠点で詐欺活動に悪用されているSpaceXの衛星インターネットサービス「Starlink」の端末に対し、差押令状を発行したことが明らかになりました。この措置は、国際的な詐欺グループの通信インフラを遮断し、犯罪活動を阻止することを目的としています。

www.geekwire.com

Amazon、衛星インターネット計画の名称を「Project Kuiper」から「Amazon Leo」に変更

Amazonは、同社が進める衛星ブロードバンド計画の公式名称を「Project Kuiper」から「Amazon Leo」に変更しました。この名称は低軌道（LEO）に由来し、計画が試験段階から商用化フェーズへ移行していることを示唆しています。既に150基以上の衛星が打ち上げられており、最終的には3,200基以上のコンステレーションで、未接続地域へ高速インターネットを提供することを目指しています。

aviationweek.com

Virgin Galactic、次世代機「Delta」による商業飛行開始を2026年後半に見込む

米国の宇宙旅行会社Virgin Galacticは、次世代の亜軌道宇宙船「Delta」級の開発が順調に進んでおり、2026年第4四半期に商業研究飛行を開始する見込みであることを改めて示しました。個人向けの商業宇宙飛行は、その後の2027年に開始される可能性があります。同社は財務状況が堅調であることも報告しています。

spacepolicyonline.com

NASAゴダード宇宙飛行センターの施設統合計画に対し、地元議員団が懸念を表明

メリーランド州の民主党連邦議員団が、NASAゴダード宇宙飛行センターで急速に進められている施設統合計画について、NASAに説明を求める書簡を送りました。議員らは、この計画がローマ宇宙望遠鏡などの主要ミッションや職員の士気に与える悪影響を懸念しており、計画の即時停止と詳細な説明を要求しています。NASA側は、年間約1000万ドルの経費削減が目的であると説明しています。

timesofindia.indiatimes.com

インド宇宙研究機関(ISRO)、将来の有人・惑星探査ミッションに自信

月南極への着陸を成功させたインド宇宙研究機関(ISRO)は、金星着陸ミッションの承認を得ており、火星着陸ミッションについても承認に自信を示しています。また、2027年を目標とする初の有人宇宙飛行計画「ガガニャーン」の開発も順調に進んでいることを明らかにしました。

space.com

レオニード座流星群が11月18日頃に極大期を迎える

しし座の方向から放射状に出現するレオニード座流星群が、11月18日の早朝頃に活動のピーク（極大）を迎えます。今年は月明かりの影響が少なく観測条件は良好ですが、専門家によると活動は穏やかで、1時間あたり5個から15個程度の流星が予測されています。流星は非常に高速なのが特徴です。