宇宙ニュース要約: 2025年09月07日

米国防総省の宇宙軍上級人事と司令部改編

米国防総省が宇宙軍の上級人事を発表。ミラー中将が戦略・計画・プログラム担当副参謀長、シース中将が作戦担当副参謀長に就き、ガニョン少将とホイットニー少将が中将昇進候補として重要ポストへ配置された。司令部名変更などで戦闘準備強化を図る意図が示されている。

sorae.info

JWSTが撮影した散開星団Pismis 24（NGC 6357中心）の新画像

ジェームズ・ウェッブ望遠鏡（NIRCam）がさそり座方向約5500光年の散開星団Pismis 24を撮影。最明星Pismis 24-1は質量の大きな連星で、若い大質量星の放射と星風が周囲雲を浸食し、細長い柱状構造を形成していると解析される。フィルターに応じた色で水素や塵が示されている。

SpaceXスターべースでのBooster 15-2スタティックファイア（Block 2／Pad 1構成）

SpaceXはテキサスのスターべース（OLM）でBooster 15-2のスタティックファイアを実施。該当ブースターは以前のフライトにも使用されており、Block 2設計かつ現Pad 1構成での最後のミッションに用いられる見込みと報じられている。

spacenews.com

NASAの商業宇宙ステーション第2フェーズ支援計画

NASAは商業宇宙ステーションに対し2026–2031年で10–15億ドル規模の支援を行う第2フェーズを計画。最低2社をSpace Act Agreementで支援し、2030年までに4人×30日間の有人デモ実施を目指す。認証やサービス購入は第3フェーズへ先送りで、提案締切は12/1、採択は2026年4月予定とされている。

spacenews.com

中国のLong March 6A（遥感四十号/Yaogan-40）打ち上げと関連映像

中国は太原からLong March 6A（CZ-6A / Long March 6A Y12など）でYaogan-40（03組）を極軌道へ投入。衛星は電磁環境検知やRF監視・測位、関連技術試験を目的とするとみられる。複数の打上げ写真・夜間映像や発射時刻の報告が出回り、今年52回目の打上げで記録更新を目指しているとの報道もある。

space.com

皆既月食（ブラッドムーン）と観察情報

9月7–8日の夜に月が地球の影に入り皆既月食（ブラッドムーン）が観察される見込み。アジアや西オーストラリアでは全過程が見られ、皆既継続時間は約82分と長い。満月直後の観察や土星・海王星の配置、望遠鏡での観察ポイントなどのガイド情報も出ている（NASAの解説参照）。

SLS Block 2の設計性能（深宇宙貨物輸送能力）

SLS Block 2は約950万ポンドの推力を発生し、設計上で深宇宙へ46トン以上（約101,400ポンド）の貨物投入が可能とされる。月や火星向けの大型貨物輸送の主力となる見込みである。

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スターリンクの導入・製品事例（海上・民生向け）

日本の海上保安庁は大型巡視船を含む艦艇にスターリンクを順次導入し、2025年度末までに全隻配備を進める計画。有事対応や衛星妨害対策を念頭に置く。また、Starlink Miniや家庭向け端末の実例・速度測定（下り350Mbps台など）が報告されており、移動体や遠隔地での実用性が示されている。

www.teslarati.com

フロリダでのStarship運用計画に対する地元の反発

SpaceXがフロリダのLC-39AからStarship運用を行う計画について、騒音や安全性、ビーチ利用者への影響などを理由に地元住民から反発が出ている。SpaceXは運用許可を申請している段階で、地域の懸念が続いている。

space.com

SpaceXのヴァンデンバーグ発Falcon 9によるStarlink打上げ（24機）と回収

SpaceXはカリフォルニア・ヴァンデンバーグ（SLC-4E）からFalcon 9で24基のStarlink衛星（Starlink-300/17-9等）を打ち上げ、約53分で低軌道に投入。第1段ブースター（B1075など）はドローンシップ「Of Course I Still Love You」への着陸に成功し、ネットワークは約9,000機に迫ると報告されている。打上げのライブ配信や短いクリップ映像も多数公開された。

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国立天文台と産業連携強化の動き

基礎科学の成果・技術を産業応用へつなぐ取り組みが注目されており、国立天文台は宇宙戦略基金の採用を契機に産業界との連携強化を進めようとしている。見学者の関心も高く、天文台や加速器に眠る先端技術の実用化可能性が議論されている。

www.nikkei.com

JAXAの万博向け映像展示（宇宙・月面探査の未来）

JAXAが大阪・関西万博で展示する宇宙・月面探査の未来を描いた映像が好評。映像監督が高精細CGと物理計算で細部までリアルを追求しており、来場者に宇宙を身近に感じさせる狙いがある。

LandSpaceの液酸・液メタンエンジン（蓝焱）と試験設備の進展

中国のLandSpaceがFFSC（全流量補燃循環）型メタン/液酸エンジン「蓝焱」の静的燃焼試験を報告・確認し、新しい試験台でフルスロットル試験が行われたとする写真や映像が公開されている。公式WeChatでの確認投稿や試験台の空撮・噴射炎の接写が出回っているが、情報の一次出所に差がある。

ESAのWeek in Images（1–5 Sep 2025）写真集

ESAが1–5 Sep 2025の『Week in Images』として写真集を公開。式典夕食会、宇宙機の搬入・組立や試験設備、鮮やかな星雲観測画像など多様な写真が収められている。

space.com

白色矮星周辺のハビタビリティと探索の現状

太陽型星が最終的に白色矮星となる過程と、白色矮星近傍に惑星が残存すれば大気中の生命由来分子の検出が可能になる可能性が指摘されている。赤色巨星期の近接天体消滅や潮汐・加熱で水を失うリスクはあるが、条件次第で海を保てる場合もあり、JWST等での探索が進んでいる。