宇宙ニュース要約: 2025年10月19日

www.orlandosentinel.com

NASA、次期月面ローバー開発候補を3チームに絞り込み 11月に最終決定へ

NASAは、アルテミス計画で宇宙飛行士が使用する次期月面探査車（LTVS）の開発を委託する企業の候補を3チームに絞り込みました。各チームが開発した試作車がケネディ宇宙センターで披露され、NASAは11月中旬に最終的な契約先を決定する予定です。

english.news.cn

中国、宇宙開発計画を加速、米国は警戒感

中国は、宇宙ステーションの建設完了や、嫦娥計画による月の裏側からのサンプルリターン、天問計画による火星探査などで着実に成果を上げています。再利用型ロケットや衛星メガコンステレーションの開発も進めており、宇宙分野での覇権を目指す動きを加速させています。これに対し米国では、安全保障上の脅威と捉え、警戒感を強めています。

spaceq.ca

カナダ宇宙庁、アルテミス計画に向けた国内活動を推進

カナダ宇宙庁（CSA）は、月探査計画「アルテミス計画」への参加に向けた国内活動を活発化させています。宇宙飛行士の放射線被ばくを防ぐための国産観測機器の開発契約を進めるほか、アルテミス2ミッションに参加するジェレミー・ハンセン宇宙飛行士らが参加する教育・普及イベントを開催しています。

tass.com

中国CAS Space、力箭1号Y8ロケットでパキスタン等の衛星打ち上げに成功

中国の宇宙企業CAS Spaceは、10月19日に酒泉衛星発射センターから「力箭1号（Kinetica-1）」Y8ロケットの打ち上げに成功しました。この打ち上げにより、パキスタンのリモートセンシング衛星「PRSS-2（HS-1）」と、中国の衛星「AIRSAT 03」「AIRSAT 04」の計3機が予定軌道に投入されました。これは力箭1号にとって9回目の成功飛行となります。

tass.com

太陽黒点群でMクラスのフレアが発生

10月19日、太陽の黒点群4246で、5段階中2番目の強さである「M1.0」クラスの太陽フレアが観測されました。このフレアは約18分間継続し、地球の磁気圏に影響を及ぼす可能性があります。

www.latimes.com

NASA JPL、火星サンプルリターン計画の予算削減で550人を解雇

NASAのジェット推進研究所（JPL）は、旗艦ミッションである火星サンプルリターン計画の予算削減と遅延を受け、550人の職員を解雇しました。これにより過去2年間で全職員の約4分の1が削減されたことになり、研究所内の士気低下や将来のミッションへの影響が懸念されています。

europeanspaceflight.com

Arianespace、Ariane 64の初飛行を2026年に延期

欧州のArianespace社は、大型ロケット「Ariane 6」のブースター4本構成型「Ariane 64」の初飛行を2026年に延期すると発表しました。当初は2025年末にAmazon社の衛星コンステレーション「プロジェクト・カイパー」の衛星を打ち上げる予定でした。

JAXA、ISS「きぼう」から超小型衛星3基を放出

宇宙航空研究開発機構（JAXA）は、国際宇宙ステーション（ISS）の日本実験棟「きぼう」から、3基の超小型衛星（キューブサット）「YOTSUBA-KULOVER」「e-kagaku-1」「BOTAN」を宇宙空間に放出しました。

www.thehindu.com

インドの探査機チャンドラヤーン2号、太陽風が月に与える影響を世界で初めて直接観測

インド宇宙研究機関（ISRO）は、月周回探査機「チャンドラヤーン2号」が、太陽からのコロナ質量放出（CME）が月に到達した際に、月の希薄な大気（外気圏）の圧力と密度が10倍以上に増加する現象を世界で初めて直接観測したと発表しました。この成果は、将来の月面探査計画にとって重要な知見となります。

sorae.info

新型補給機HTV-X、輸送能力向上と多機能化を実現

JAXAが開発した新型宇宙ステーション補給機「HTV-X」は、従来機「こうのとり（HTV）」の後継機です。機体の再設計により、物資の搭載能力が重量で約1.5倍に向上したほか、ISSから離脱後も最長1.5年間軌道上にとどまり、搭載した機器の実験や超小型衛星の放出などを行える多機能性を備えています。

www.jaxa.jp

JAXA、H3ロケット7号機（HTV-X1搭載）の打ち上げを悪天候で延期

宇宙航空研究開発機構（JAXA）は、10月21日に種子島宇宙センターから予定していたH3ロケット7号機の打ち上げを、悪天候が予想されるため延期すると発表しました。少なくとも10月23日まで天候の回復が見込めないため、新たな打ち上げ日は未定です。この7号機は、国際宇宙ステーション（ISS）へ物資を運ぶ新型補給機「HTV-X」の初号機を搭載し、固体ロケットブースターを4本装備した「H3-24W」形態での初の打ち上げとなる予定でした。

devblogs.microsoft.com

Microsoft Azure、NASAの統合衛星データ「HLS」を公開

Microsoftは、同社のクラウドプラットフォーム「Azure」上の地理空間データサービス「Planetary Computer」で、NASAの衛星データ「Harmonized Landsat and Sentinel-2 (HLS)」を公開しました。これにより、研究者や開発者は高解像度の地表面データを容易に利用でき、AIなどを活用した土地被覆の分類や環境変化の検出といった分析が可能になります。

thediplomat.com

インド、2028年を目指し独自宇宙ステーション「Bharatiya Antariksh Station」を計画

インドは、独自の宇宙ステーション「Bharatiya Antariksh Station (BAS)」の建設計画を発表しました。初号モジュールの打ち上げは2028年を予定しており、アルテミス協定への参加を通じて米国などから技術協力を得つつ、自国の宇宙開発能力の向上を目指します。

english.news.cn

中国、長征6号改良型で商業衛星コンステレーション「Spacesail」を打ち上げ

中国は10月17日、太原衛星発射センターから改良型「長征6号」ロケットを打ち上げ、商業用の低軌道衛星コンステレーション「Spacesail」を構成する新たな衛星群を軌道に投入することに成功しました。今回の打ち上げは、長征ロケットシリーズにとって通算601回目の飛行となりました。

spaceflightnow.com

SpaceX、ヴァンデンバーグからStarlink衛星を打ち上げ予定

SpaceXは、カリフォルニア州のヴァンデンバーグ宇宙軍基地からファルコン9ロケットで28基のスターリンク衛星を打ち上げる予定です。使用されるブースター「B1088」は11回目の飛行となり、打ち上げ後は太平洋上のドローン船「Of Course I Still Love You」への着陸を目指します。打ち上げ時刻は一度変更されています。

space.com

NASA長官候補に民間宇宙飛行士ジャレッド・アイザックマン氏が再浮上

NASAの次期長官候補として、実業家で民間宇宙飛行の経験を持つジャレッド・アイザックマン氏の名前が再び検討されていると報じられています。同氏の指名は、SpaceX社との関係を理由に一度ホワイトハウスによって撤回されましたが、関係改善を受けて再浮上した模様です。

spaceflightnow.com

SpaceX、ケープカナベラルからStarlink衛星を打ち上げ（ブースターB1067が31回目の飛行）

SpaceXは、ケープカナベラル宇宙軍基地からファルコン9ロケットで28基のスターリンク衛星を打ち上げる予定です。このミッションで使用される第1段ブースター「B1067」は、記録を更新する31回目の飛行となります。打ち上げ後、ブースターは大西洋上のドローン船「A Shortfall of Gravitas」への着艦を試みます。気象条件は95%良好と予測されています。

www.skyatnightmagazine.com

NASA、レーザー光による深宇宙光通信実験で探査機Psycheとの双方向に成功

NASAは、深宇宙光通信（DSOC）の実証実験において、地球から約2億3000万km離れた小惑星探査機「Psyche（サイキ）」との間で、レーザー光を用いた双方向通信に成功しました。この技術は、従来の電波通信よりも大幅に高速なデータ伝送を可能にし、将来の深宇宙探査における通信能力の飛躍的な向上が期待されています。

www.openpr.com

オマーン、中東初となる商業宇宙打ち上げの承認枠組みを発表

オマーンの民間航空局（CAA）は、商業宇宙打ち上げの承認に関する新たな枠組み「CAD 5-01」を発表しました。これにより、国内の宇宙港「Etlaq Spaceport」は最短45日で打ち上げ承認プロセスを提供可能となり、中東地域における宇宙ビジネスの活性化が期待されます。この取り組みは、オマーンの国家宇宙法策定に向けた重要な一歩と位置づけられています。

space.com

彗星C/2025 A6 (Lemmon)が地球に最接近し観測好機

2025年1月に発見された長周期彗星「C/2025 A6 (Lemmon)」が10月21日頃に地球へ最接近し、観測の好機を迎えています。双眼鏡や小型望遠鏡での観測に適しており、天体写真家からも注目を集めています。Virtual Telescope Projectによるオンラインでのライブ配信も予定されています。