SpaceXは10月19日、ケープカナベラル宇宙軍基地からFalcon 9ロケットで28機のStarlink衛星を打ち上げました。このミッションで使用されたブースター「B1067」は、これが31回目の飛行となり、前回飛行からわずか52日6時間40分という、ブースターの最短再利用間隔記録を更新しました。
国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在中のJAXA・油井亀美也宇宙飛行士が、10月14日に「きぼう」日本実験棟の窓から撮影したオーロラと天の川の壮大な写真をSNSに投稿し、話題を呼んでいます。油井飛行士は現在、次世代宇宙ステーション補給機HTV-Xの到着準備などを進めています。
アルマ望遠鏡が、オリオン座の若い星「V883 Orionis」の周りにある惑星形成円盤で、初めて重水(D2O)を検出しました。重水と通常の水の存在比率が、星が誕生する前の分子雲の状態と同じであったことから、水が分子雲から惑星系へとほぼ姿を変えずに受け継がれることを示す直接的な証拠となります。これは、地球の水の起源を解明する上で重要な発見です。
米空軍は、カリフォルニア州のヴァンデンバーグ宇宙軍基地からのSpaceXによるロケット打ち上げ回数を、現行の年50回から最大100回に引き上げることを承認しました。この決定は最終環境影響評価に基づくもので、Falcon 9に加え、Falcon Heavyの打ち上げも年間5回まで許可されます。極軌道への打ち上げに最適なヴァンデンバーグからの打ち上げ頻度増加により、地球観測衛星や政府のミッションなどがさらに加速する見込みです。
欧州委員会は、2030年までの防衛能力強化計画「Defence Readiness Roadmap 2030」を発表しました。この計画には4つの主要な柱があり、その一つとして宇宙領域の監視、通信妨害への対抗、軌道上での作業能力などを強化する「欧州スペースシールド」構想が盛り込まれています。
ドイツのロケットベンチャーHyImpulseが、シリーズAラウンドなどで総額4500万ユーロの資金調達に成功しました。調達した資金は、最大600kgのペイロードを低軌道へ運ぶ小型ロケット「SL1」の開発、エンジン認証、生産能力の拡大に充てられます。SL1は環境負荷の少ない液体酸素とパラフィンを推進剤とするハイブリッドエンジンを採用しており、最短で2027年の初飛行を目指しています。
天の川銀河の中心部で長年観測されている謎のガンマ線過剰(GCE)について、最新のスーパーコンピュータシミュレーションは、その起源が未知の粒子「ダークマター」同士の衝突・消滅(アニヒレーション)である可能性を支持する結果を示しました。この結果は決定打ではないものの、今後の観測でダークマターの正体を解明する上で重要な手がかりとなります。
NASAとペンシルベニア州立大学の研究チームが、火星の環境を模擬した実験を行った結果、生命の構成要素であるアミノ酸が、土壌と混ざった氷の中よりも純粋な氷の中で放射線から保護され、はるかに長く保存されることを発見しました。この結果は、将来の火星探査において、生命の痕跡を探す場所として、土壌よりも純氷や氷が豊富な永久凍土が有望なターゲットであることを示唆しています。
NPRの報道によると、SpaceXが米政府向けに構築中の機密衛星ネットワーク「Starshield」が、国際電気通信連合(ITU)の規格に反する周波数帯を使用している可能性が指摘されています。本来は地上から衛星への通信(アップリンク)用に割り当てられた帯域を、衛星から地上への通信(ダウンリンク)に使用しているとされ、他の衛星システムへの電波干渉が懸念されています。
米国のBuck研究所は、宇宙飛行が人体の免疫系に与える影響を研究する新しい学問分野「アストロイムノロジー(Astroimmunology)」を提唱する総説を発表しました。微小重力や宇宙放射線、ストレスなどが免疫機能を低下させるメカニズムを解明し、ワクチンや栄養補助食品などによる対策法を開発することで、長期宇宙滞在における飛行士の健康維持を目指します。
中国の民間宇宙企業LandSpace社が開発する再利用可能な大型ロケット「朱雀3号(ZQ-3)」が、東風商業宇宙イノベーション実験区の射場に到着したことが公式に発表されました。今後、打ち上げに向けた重要なステップである静的燃焼試験が行われると噂されており、中国の民間企業による大型再利用ロケット開発が最終段階に入ったことを示唆しています。
米国の宇宙ベンチャーImpulse Spaceは、月面に最大3トンの物資を輸送可能な無人月着陸船の開発に着手したことを発表しました。この着陸船は、同社が開発中の軌道間輸送機「Helios」と組み合わせて運用され、2026年末頃の初飛行を目指しています。これにより、中規模ペイロードの月輸送市場における新たな選択肢を提供します。
トランプ次期政権が、実業家で民間宇宙飛行士でもあるジャレッド・アイザックマン氏を次期NASA長官候補として再検討していることが報じられました。アイザックマン氏はShift4 PaymentsのCEOであり、民間人のみの宇宙飛行ミッション「Inspiration4」を率いた経験を持ちます。一度は指名が撤回されましたが、再び候補として浮上しています。
スペインは欧州宇宙機関(ESA)との協力を強化しており、スペイン宇宙庁(AEE)がESAとの覚書に調印しました。これにより、スペインは宇宙ゴミ(スペースデブリ)問題の解決を目指す国際的な取り組み「Zero Debris Charter」に参加し、デブリ対策技術の実証などを進めていきます。
衛星データ企業のPlanet Labsは、米国家地理空間情報局(NGA)から1,280万ドルの契約を受注しました。この契約に基づき、Planetが毎日撮影する高解像度の衛星画像と、提携するSynMax社のAIプラットフォームを組み合わせ、アジア太平洋地域における違法漁業や船舶間の密輸、位置情報偽装といった不審な海上活動を検出・分析するサービスを提供します。
SpaceXは、大型宇宙船Starshipの11回目の飛行試験で、主要な目標をすべて達成したと発表しました。再利用されたSuper Heavyブースターは、滑らかな大気圏再突入の後、数秒間のホバリングを経てソフト着水に成功しました。上段の宇宙船も、スターリンク衛星の模擬ペイロード展開、宇宙空間でのラプターエンジンの再点火、制御された大気圏再突入といった一連のタスクを完了しました。この成功は、将来の月・火星探査に向けた大きな一歩となります。
フランスとドイツは、宇宙空間から弾道ミサイルや極超音速兵器を探知・追跡する早期警戒衛星システム「ODIN'S EYE」を共同で導入することに合意しました。このプロジェクトは欧州防衛基金の支援を受けており、欧州独自の防衛能力向上における重要な一歩となります。
米国のRelativity Space社は、フロリダのケープカナベラル宇宙軍基地で、完全再利用型ロケット「Terran R」用の発射施設「Launch Complex 16」の建設を着々と進めています。ロケットを水平に組み立てる施設(HIF)の鉄骨が組み上がり、推進剤タンクや避雷針の基礎工事も進行中で、将来の打ち上げに向けたインフラ整備が進んでいます。
中国は10月15日、文昌宇宙発射場から長征8Aロケットを打ち上げ、国有ブロードバンド衛星コンステレーション「Guowang」の衛星群を軌道に投入しました。この打ち上げは、1970年の初飛行以来、長征ロケットファミリーにとって記念すべき600回目の飛行となりました。Guowang計画は最終的に約13,000機の衛星で構成される予定です。
NASAの有人月周回ミッション「アルテミス2」で使用されるオリオン宇宙船が、ケネディ宇宙センターのVAB(ロケット組立棟)に到着しました。燃料注入などの最終準備を終えた宇宙船は、今後、超大型ロケットSLSの先端に搭載されます。4人の宇宙飛行士が搭乗するこのミッションの打ち上げは、最短で2025年2月5日に予定されています。
国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中のロシア人宇宙飛行士2名が、2025年に入って初めてとなる船外活動を実施しました。作業は約6時間11分に及び、科学実験装置の設置や高解像度カメラの撤去、舷窓の清掃など、多岐にわたるタスクを完了しました。
中国の民間ロケット企業Space Pioneer(天兵科技)が、新規株式公開(IPO)に向けたプロセスを開始したことが明らかになりました。同社は再利用可能な液体燃料ロケット「天竜3号」などを開発しており、株式上場によってさらなる開発資金を調達し、中国の商業宇宙市場での競争力を高めることを目指しています。
米国の伝説的ロックバンドKISSの創設メンバーで初代リードギタリスト、「Spaceman」の愛称で知られたエース・フレーリー氏が、9月に負った頭部外傷の影響により10月16日に74歳で亡くなりました。彼の宇宙やSFをテーマにした独特のスタイルとギタープレイは、音楽界に大きな影響を与えました。
スペイン宇宙庁(AEE)と欧州宇宙機関(ESA)は、大西洋の環境監視などを目的とする衛星コンステレーション計画において、スペインが担当する8機の衛星の設計・製造をOpen Cosmos社に委託することを決定しました。同社はバルセロナで衛星を製造し、2027年までに納入する予定です。衛星は高解像度カメラや船舶自動識別装置(AIS)などを搭載し、沿岸監視や気候変動の観測に貢献します。
中国は2024年10月17日、太原衛星発射センターから長征6号Aロケットを打ち上げ、G60/Spacesail Group-18衛星を予定の軌道に投入することに成功しました。この打ち上げは、中国が継続的に進める宇宙インフラ構築の一環です。
現在、北半球では2つの緑色の彗星、レモン彗星(C/2025 A6)とSWAN彗星(C/2025 R2)が観測シーズンを迎えています。特にレモン彗星は10月21日に地球に最接近し、月末にかけて日の入り後の西の低空で観測の好機となります。肉眼での観測は難しいものの、市街地を離れて双眼鏡や望遠鏡を使えば、ぼんやりとした姿を捉えることができる可能性があります。