宇宙ニュース要約: 2025年10月20日

Innospace、韓国初の民間商業打ち上げ許可を取得し「Hanbit-Nano」初飛行へ

韓国の宇宙スタートアップInnospaceは、韓国航空宇宙庁（KASA）から国内初となる民間商業打ち上げ許可を取得しました。同社の小型ロケット「Hanbit-Nano」は、ブラジルのアルカンタラ宇宙センターから10月28日から11月28日のウィンドウで初飛行ミッション「SPACEWARD」を実施する予定です。ミッションでは、5機の小型衛星を含む9つのペイロードを高度約300kmの低軌道へ投入します。

exolaunch.com

独Exolaunchと印Skyrootが戦略的提携、Vikramロケットでの衛星搭載サービスで協力

ドイツの衛星打ち上げサービスプロバイダーExolaunchと、インドのロケット開発企業Skyrootが戦略的提携を発表しました。Exolaunchは、Skyrootが開発するVikramシリーズロケット向けに、衛星の統合・分離システムやペイロードスタックを提供し、グローバルな小型衛星市場へのアクセスを強化します。

uchubiz.com

中国、長征8号Aで国網衛星を打ち上げ、シリーズ通算600回を達成

中国は10月16日、長征8号Aロケットを打ち上げ、衛星インターネット計画「国網（Guowang）」向けの衛星群を軌道に投入しました。これは長征ロケットシリーズにとって通算600回目の打ち上げとなり、成功率は約97%に達します。近年打ち上げペースが加速しており、直近100回の打ち上げは1年10ヶ月で達成されました。

www.nikkei.com

H3ロケット7号機が打ち上げ準備中、コスト半減と年6回打ち上げを目指す

日本の次期主力ロケットであるH3の7号機が、間もなく打ち上げられる予定です。H3は、H2Aロケットから打ち上げコストを半減させ50億円に抑え、年間6回の打ち上げ能力を確保することを目標としています。三菱重工の射場長は、打ち上げ回数増加に向けて「大胆に変える」との意欲を示しています。

www.kymetacorp.com

Kymeta、米陸軍の次世代衛星通信パイロット計画に選定

衛星通信アンテナメーカーのKymetaが、米陸軍の次世代通信パイロット計画（NGC2）において、マルチオービット対応の衛星通信（SATCOM）提供者に選定されました。同社のOsprey u8端末は、低軌道（LEO）と静止軌道（GEO）の両方の衛星に接続可能で、移動中の通信に優れています。

Ace of Razgriz

Landspace、再利用型ロケット「朱雀3号」の静的燃焼試験を完了

中国の民間企業Landspaceは、再利用可能な液体燃料ロケット「朱雀3号（ZQ-3）」の静的燃焼試験を完了したと報じられました。これにより、ロケットは初飛行の準備段階に入りました。初飛行では第1段の着陸回収も試みられる予定です。

NASA、アルテミス2ミッションのオリオン宇宙船をVABへ移動

NASAは、有人月探査計画「アルテミス2」ミッションで使用されるオリオン宇宙船を、SLSロケットへの搭載準備のため、ケネディ宇宙センターのVAB（ロケット組立棟）へ移動させました。これは、有人での月周回飛行に向けた準備が着実に進んでいることを示しています。

ispace_HAKUTO-R

ispace、タイの宇宙エキスポに出展し月経済圏構築をアピール

日本の月探査企業ispaceは、タイ・バンコクで開催された「Thailand Space Expo 2025」に出展しました。同社幹部は、アルテミス計画における新興宇宙国の役割について講演し、持続可能なシスルナ（月周辺）経済圏の構築に向けたビジョンを語りました。タイは2024年12月にアルテミス協定に署名しています。

www.nasaspaceflight.com

米空軍、ヴァンデンバーグSLC-6改修を承認、ファルコンの年間打ち上げ能力が倍増へ

米空軍は、ヴァンデンバーグ宇宙軍基地の発射台SLC-6の再整備を最終承認しました。これにより、同基地でのファルコン9およびファルコンHeavyロケットの年間打ち上げ能力が最大100回に倍増する見込みです。新しい統合ハンガーの建設や洋上着陸の増加などが計画されています。

solstarspace.com

SolstarとMomentus、最大1500万ドルの相互サービス契約を締結

宇宙通信サービスのSolstarと、軌道上輸送サービスのMomentusが、3年間で最大1500万ドル相当の相互サービス契約を締結しました。Solstarは衛星間通信サービスを、Momentusは打ち上げや軌道上でのロジスティクスサービスを提供し、両社で宇宙インフラサービスの強化を目指します。2026年2月には共同での実証飛行を予定しています。

arkedgespace.com

ArkEdge Space、6U衛星「AE2a」の全ミッション成功を発表

ArkEdge Spaceは、2025年6月に打ち上げた6Uサイズのマイクロ衛星「AE2a」が、軌道上での全ミッションを成功裏に完了したと発表しました。ハイパースペクトルカメラによる地球観測や、LoRaを用いたIoT通信などの実証に成功し、今後の事業展開に向けた技術を確立しました。

space.com

オリオン座流星群が極大、10月21日から23日にかけて観測ピーク

ハレー彗星を母天体とするオリオン座流星群が、10月21日から23日にかけて活動のピークを迎えます。今年は新月に近く月明かりの影響が少ないため観測には好条件で、空の暗い場所では1時間に10〜20個程度の流星が見られると期待されています。また、10月24日には南米で月がアンタレスを隠す「アンタレス食」も観測されます。

www.wesh.com

SpaceX、同日2回の打ち上げでStarlink衛星1万基超を達成、ブースター最多飛行記録も更新

SpaceXは10月19日、フロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地とカリフォルニア州ヴァンデンバーグ宇宙軍基地からファルコン9ロケットを相次いで打ち上げ、それぞれ28基、合計56基のスターリンク衛星を軌道に投入しました。これにより打ち上げられたスターリンク衛星の総数は1万基を突破しました。ケープカナベラルからの打ち上げでは、第1段ブースターが史上最多となる31回目の飛行と着陸に成功し、再利用記録を更新しました。

spacenews.com

中国、長征6AとKinetica-1で相次いで衛星打ち上げ成功

中国は10月17日に長征6Aロケットで千帆コンステレーション向けの衛星を、18日にはCAS SpaceのKinetica-1ロケットでパキスタンの高分解能衛星など3機を打ち上げ、いずれも成功しました。これらの打ち上げは中国の2025年における63回目、64回目の軌道投入となりました。

ISRO Spaceflight

ISRO、インド海軍向け通信衛星「GISAT-7R」の打ち上げを11月5日に再延期

インド宇宙研究機関（ISRO）は、LVM3ロケットによる通信衛星「GISAT-7R」の打ち上げを、当初の予定から11月5日に再延期しました。技術的な問題と、相乗りする米国商業衛星の到着遅延が原因とされています。GISAT-7Rは、設計寿命を超えて運用されているインド海軍向けの既存衛星GSAT-7の後継機となります。

english.news.cn

中国、世界初の中赤外線太陽磁場望遠鏡「AIMS」の正式運用を開始

中国は、世界初となる中赤外線帯の太陽磁場望遠鏡「AIMS」が最終受入れ審査を通過し、正式に運用を開始したと発表しました。標高約4000mの青海省に設置されたこの望遠鏡は、太陽磁場を直接的に高精度で観測でき、太陽物理学の研究や宇宙天気予報の精度向上に貢献することが期待されます。

space.blog.gov.uk

英国宇宙庁、衛星の大気圏再突入による環境影響調査を委託

英国宇宙庁は、増加する衛星が寿命を終えて大気圏に再突入する際に放出する金属粒子などの影響（大気アブレーション）を調査するため、国内の大学など3機関に研究を委託しました。調査結果は、衛星の素材選定や設計基準、国際的な環境評価指標の整備に役立てられることを目指します。

arkedgespace.com

ArkEdge Spaceら4者、衛星・HAPS・地上間の光無線通信で協定締結

ArkEdge Space、NICT、KIYOHARA OPTICS、SoftBankの4者は、低軌道（LEO）衛星、成層圏プラットフォーム（HAPS）、地上局を結ぶ光無線通信技術の共同開発・実証を行う協定を締結しました。2026年以降に宇宙空間での実証を計画しており、10Gbps級の高速通信を目指します。成功すれば、非地上ネットワーク（NTN）の強化に貢献します。

arkedgespace.com

ArkEdge Space、環境省SBIRに採択され環境変化検知プラットフォームを開発へ

ArkEdge Spaceは、環境省の2025年度府省連携SBIR（スタートアップ向け技術革新研究）に採択されました。2026年度にかけて、衛星データと地上データを統合し、環境変化やリスクを検知するプラットフォームを開発します。鹿児島県を実証フィールドとし、地域保全や農林業への応用を目指します。

ISAS（JAXA宇宙科学研究所）

JAXA、水星磁気圏探査機「みお」の熱試験モデルを相模原で展示

JAXA宇宙科学研究所は、相模原キャンパスの宇宙科学探査交流棟にて、水星磁気圏探査機「みお」の熱試験モデルを展示しています。ESAとの共同ミッション「ベピ・コロンボ」の一部である「みお」は、現在水星に向かって航行中で、2026年12月に水星周回軌道へ投入される予定です。

www.gilat.com

Gilat、多軌道対応プラットフォーム「SkyEdge IV」で4200万ドルの受注を獲得

イスラエルの衛星通信技術企業Gilat Satellite Networksは、同社の多軌道対応プラットフォーム「SkyEdge IV」について、主要な衛星事業者から4200万ドル規模の受注を獲得したと発表しました。このプラットフォームは、航空機内Wi-Fiや海上通信、企業向けブロードバンドなど、多様な用途をサポートします。

www.scientificamerican.com

専門家、トランプ政権下でのNASA予算25%削減案に警鐘

トランプ政権が提案している2026年度のNASA予算案について、専門家が警鐘を鳴らしています。この案では、アルテミス計画への追加投資の一方で、NASA全体の予算が約25%削減され、特に科学部門が大幅なカットを受けます。これにより、米国の研究力や人材が失われ、宇宙開発における中国の台頭を許す危険性があると指摘されています。