宇宙ニュース要約: 2025年11月01日

SpaceX、軌道上データセンター構想を表明

SpaceXのイーロン・マスクCEOは、次世代スターリンク衛星（V3）に搭載される高速レーザー通信技術を活用し、軌道上にデータセンターを構築する構想を明らかにしました。太陽光を無尽蔵の電力源とし、地上のデータセンターの環境負荷を低減する可能性がある一方、経済性や技術的な課題も指摘されています。

koreajoongangdaily.joins.com

韓国、5基目の軍事偵察衛星をSpaceXで打ち上げへ

韓国は、国産の合成開口レーダー（SAR）を搭載した5基目の軍事偵察衛星を、SpaceXのファルコン9ロケットで打ち上げる予定です。これにより、北朝鮮を約2時間ごとに監視する体制が構築される見込みです。

space.com

中国、有人宇宙船「神舟21号」の打ち上げと宇宙ステーションへのドッキングに成功

中国は10月31日、酒泉衛星発射センターから長征2Fロケットで有人宇宙船「神舟21号」を打ち上げました。指揮官の張路氏、呉飛氏、張洪章氏の3名の宇宙飛行士が搭乗し、打ち上げから約3.5時間後に中国の宇宙ステーション「天宮」の天和コアモジュールへの自動ドッキングに成功しました。3名は約6ヶ月間滞在し、マウスを使った生命科学実験や船外活動などを行う予定で、神舟20号のクルーと交代します。

spacenews.com

Starlink、インドでの事業展開とウクライナでの新サービス試験を推進

SpaceX傘下のStarlinkは、インドで衛星インターネットサービスの提供承認を受けた後、財務・会計分野の人材採用を開始し、本格的な事業展開の準備を進めています。また、ウクライナでは通信事業者Kyivstarと協力し、スマートフォンへ直接通信する「Direct to Cell」サービスの大規模な試験を準備しています。フォークランド諸島でもサービスが利用可能になりました。

arstechnica.com

NASAとSpaceX、月着陸機Starship HLSの開発遅延を巡り対立

NASAのショーン・ダフィー臨時長官が、アルテミス計画の月着陸機として開発中のSpaceXのStarship HLS（有人着陸システム）の遅延を批判したことを受け、両者の対立が表面化しています。SpaceXはこれに反論し、49の主要マイルストーンを達成したと進捗を公表。元NASA長官のジム・ブライデンスタイン氏も計画に懐疑的な見方を示しましたが、SpaceX側は彼が競合企業のロビイストであると指摘しています。NASAは契約を再入札にかける可能性も示唆しており、中国との月開発競争を背景に議論が続いています。

Rocket Lab

Rocket Lab、QPS研究所のSAR衛星打ち上げミッションの準備完了

Rocket Labは、日本のQPS研究所のSAR（合成開口レーダー）衛星を搭載するElectronロケットの打ち上げ準備を完了しました。同社にとって6回目となるQPS研究所のミッションで、「The Nation God Navigates」と名付けられています。打ち上げは11月5日（UTC）以降にニュージーランドのマヒア半島から行われる予定です。

www.noozhawk.com

SpaceX、2025年100回目となるStarlink衛星打ち上げを達成

SpaceXは10月31日、カリフォルニア州のヴァンデンバーグ宇宙軍基地からファルコン9ロケットを打ち上げ、28基のスターリンク衛星を低軌道に投入しました。これは2025年における100回目のスターリンク衛星打ち上げミッションとなりました。使用された第1段ブースター「B1063」は29回目の飛行と着陸に成功し、再利用技術の高さを改めて示しました。

www.cnbctv18.com

インドISRO、通信衛星「CMS-03」の打ち上げ準備を完了

インド宇宙研究機関（ISRO）は、大型通信衛星「CMS-03」を搭載したLVM3ロケットの打ち上げ準備を完了し、カウントダウンを開始しました。打ち上げは11月2日にスリハリコタ宇宙センターから予定されています。CMS-03はインドとその周辺海域に通信サービスを提供することを目的としています。

spacenews.com

Blue Origin、新型ロケット「New Glenn」の静的燃焼試験に成功

Blue Originは10月30日、フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地で、開発中の大型ロケット「New Glenn」の第1段ブースターを用いた静的燃焼試験に成功しました。7基のBE-4エンジンが38秒間点火され、着陸時の燃焼シーケンスが模擬されました。初打ち上げは11月9日以降に予定されており、NASAの火星探査機「ESCAPADE」を搭載する計画です。

abcnews.go.com

国際宇宙ステーション(ISS)、連続有人滞在25周年を迎える

国際宇宙ステーション（ISS）は2000年11月2日の最初のクルー到着以来、25年間にわたり途切れることのない有人滞在を達成しました。これまでに26カ国から約290人の宇宙飛行士が訪れ、数多くの科学実験や国際協力の拠点として機能してきました。2031年の運用終了が予定されており、今後はAxiom Spaceなどが開発する商業宇宙ステーションへの移行が進められています。

labsoflatvia.com

ラトビアとフィリピン、アルテミス協定に加盟・署名

ラトビアとフィリピンが、米国主導の月探査に関する国際協力の枠組み「アルテミス協定」に加盟・署名しました。ラトビアは研究者や企業の国際協力機会の拡大を期待しており、フィリピンは平和で透明性のある宇宙探査への参加を表明しました。これにより協定の参加国はさらに拡大しました。

Ace of Razgriz

中国、次世代有人宇宙船「夢舟」の無人試験飛行を2026年に計画

中国は2026年に、新世代の有人宇宙船「夢舟1号」の無人試験飛行を計画しています。長征10号Aロケットで打ち上げられ、宇宙ステーションへのドッキング能力などを検証します。これは将来の月探査計画に向けた重要なステップとなります。

space.com

星間彗星3I/ATLASが近日点通過、予想外の増光で注目集まる

太陽系外から飛来した3例目の星間天体である彗星3I/ATLASが近日点を通過し、予想外に急増光したことで注目を集めています。原因は不明ですが、核の組成などが関係している可能性が指摘されています。また、観測データからニッケル蒸気が検出されるなど、太陽系初期の物質を知る貴重な機会として観測が続けられています。

connectsci.au

MWA望遠鏡、天の川の史上最大の低周波画像を公開

オーストラリアのマーチソン広視野アレイ（MWA）望遠鏡で取得されたデータを統合し、天の川（銀河系）のこれまでで最大かつ最も詳細な低周波電波画像が作成・公開されました。この画像は超新星残骸や星形成領域などの研究に貢献し、次世代のSKA望遠鏡計画の基盤となることが期待されます。

www.theguardian.com

NASA、キム・カーダシアンの月着陸陰謀論を公式に否定

著名人のキム・カーダシアンが1969年のアポロ計画による月面着陸を「偽物」と発言したことを受け、NASAは公式にこれを否定しました。臨時長官がSNSで過去の着陸の事実と将来のアルテミス計画を強調し、カーダシアンをロケット打ち上げに招待しました。