宇宙ニュース要約: 2025年10月16日

www.nikkei.com

IHI、フィンランドICEYEからSAR衛星4基を調達 24基体制の構築目指す

株式会社IHIは、フィンランドのICEYE社と衛星調達契約を締結し、合成開口レーダー（SAR）衛星4基を購入すると発表しました。2026年度からのデータ取得を目指し、将来的には需要に応じて最大24基の衛星コンステレーションを構築する計画です。これにより、安全保障分野などでの監視能力強化を図ります。

space.com

ケンタッキー州などで明るい火球が観測 南タウリッド流星群か

2025年10月14日未明、ケンタッキー州、テネシー州、アラバマ州の上空で、夜空を昼間のように照らす明るい緑色の火球が目撃され、多数の映像が報告されました。専門家は、この火球がエンケ彗星を起源とする南タウリッド流星群の非常に明るい流星である可能性が高いと見ています。

www.indiatvnews.com

インド、有人宇宙飛行「ガガニヤーン」を2027年に打ち上げへ

インド宇宙研究機関（ISRO）は、初の国産有人宇宙飛行ミッション「ガガニヤーン」を2027年に打ち上げる予定であると報告しました。また、インド首相は2040年までにインド人宇宙飛行士を月面に着陸させるという新たな目標を設定しており、宇宙開発計画が加速しています。

spacenews.com

アルテミス協定が5周年 加盟国は56カ国に拡大

米国主導の月探査に関する国際協力の枠組み「アルテミス協定」が締結から5周年を迎えました。当初の8カ国から加盟国は56カ国に拡大し、国際宇宙会議（IAC）では加盟国会合が開かれ、月面活動の安全確保やデータ共有などについて議論が行われました。

spacenews.com

Axiom Space、ジョナサン・サーテイン氏を新CEOに任命

商業宇宙ステーション開発を進めるAxiom Spaceは、社長であったジョナサン・サーテイン氏を新たな社長兼CEOに任命したと発表しました。2025年4月に就任したばかりだったテジャプール・バティア氏は退任します。このリーダーシップの変更は、同社が商業宇宙モジュールの開発やアルテミス計画向け宇宙服の製造など、次の成長段階へ移行する中で行われました。

sorae.info

Rocket Lab、SynspectiveのSAR衛星「StriX」7号機の打ち上げに成功

Rocket Labは2025年10月15日、ニュージーランドの射場からエレクトロンロケットを打ち上げ、日本の宇宙ベンチャーSynspective社の小型合成開口レーダー（SAR）衛星「StriX」の7号機を軌道に投入することに成功しました。Synspective社は、2020年代後半までに30機の衛星コンステレーション構築を目指しています。

SpaceX、10月22日に通信衛星「SpainSat NG II」を打ち上げ予定

SpaceXは、2025年10月22日にケープカナベラル宇宙軍基地から、スペインの通信衛星「SpainSat NG II」をファルコン9ロケットで打ち上げることを発表しました。このミッションで使用される第1段ブースターは、今回が22回目で最後の飛行となる予定です。

www.mcall.com

民間宇宙飛行士ジャレッド・アイザックマン氏、大学で講演 次期NASA長官候補としても注目

Shift4の創業者であり、民間宇宙ミッション「Inspiration4」の司令官を務めたジャレッド・アイザックマン氏が、母校のリーハイ大学で講演しました。自身の経歴や民間宇宙開発への情熱を語るとともに、宇宙経済の可能性について言及しました。また、同氏は次期NASA長官候補の一人としても名前が挙がっており、その動向が注目されています。

space.com

NOAA、G2レベルの磁気嵐注意報を発令 オーロラ観測の可能性

米海洋大気庁（NOAA）の宇宙天気予報センターは、太陽からのコロナ質量放出（CME）が地球に到達したことを受け、10月16日にG2（中程度）レベルの磁気嵐注意報を発令しました。これにより、アラスカからアイオワ州にかけての米国北部など、通常より低緯度の地域でオーロラが観測される可能性があります。

www.nikkei.com

東北大発宇宙スタートアップ「スペースクオーターズ」、7.5億円を調達

東北大学発の宇宙スタートアップである株式会社スペースクオーターズは、慶應イノベーション・イニシアティブなどを引受先とする第三者割当増資により、7億5000万円の資金調達を実施しました。調達した資金は、宇宙空間での建設作業を可能にする建築ロボットの開発に充てられ、2027年の商用化を目指します。

www.nasaspaceflight.com

SpaceX、Starship飛行試験11回目で全目標を達成

SpaceXは2025年10月13日、スターシップの11回目の飛行試験を実施し、ブースター15とシップ38が全ての主要目標を達成しました。ブースターは上昇後、メキシコ湾上でホバリングと着水を模擬するマニューバを完了。シップ38は模擬スターリンク衛星の展開後、大気圏に再突入し、インド洋への着水に成功しました。今回の成功は、次世代のV3機体への移行を示す重要な一歩とされています。

www.flyingmag.com

NASAジェット推進研究所(JPL)、約550人の大規模人員削減を発表

NASAのジェット推進研究所（JPL）は、組織再編と財務引き締めを理由に、全従業員の約11%にあたる約550人の人員削減を発表しました。JPLはこれが7月から続く再編の一環であり、政府閉鎖とは無関係であると説明していますが、火星探査ミッションなどへの影響を懸念する声が上がっています。

space.com

Atomic-6、衛星保護用の軽量複合シールド「Space Armor」を開発

米国のスタートアップAtomic-6は、宇宙デブリなどの微小な飛翔体から衛星を保護するための新しい複合材料シールド「Space Armor」を開発しました。従来の金属製シールドよりも軽量で、通信電波の透過性も高いという特徴があり、来年には軌道上での実証試験が予定されています。

uchubiz.com

Impulse Space、2028年開始を目指す月面輸送サービス計画を発表

元SpaceXの推進技術者トム・ミューラー氏が設立したImpulse Space社は、自社開発のキックステージ「Helios」と月着陸機を組み合わせた月面貨物輸送サービス計画を発表しました。中型から大型ロケットで打ち上げ、1ミッションあたり約3トンの物資を月面へ輸送する能力を目指しており、初回のミッションは2028年を予定しています。

biz.chosun.com

韓国、2032年の月着陸・2045年の火星探査を目標に設定

韓国政府は、2032年の月面着陸と2045年の火星探査を目標とする新たな宇宙開発計画を発表しました。国産ロケット「ヌリ号」の能力向上、次世代衛星技術の開発、深宇宙通信ネットワークの構築などを重点課題とし、宇宙産業の育成と国際協力の強化を進める方針です。

www.noozhawk.com

米空軍、ヴァンデンバーグ基地でのファルコン打ち上げ拠点追加を承認

米空軍は、カリフォルニア州のヴァンデンバーグ宇宙軍基地にある第6発射施設（SLC-6）を、SpaceXのファルコンロケットの追加打ち上げ拠点として使用することを承認しました。これにより、同基地の年間打ち上げ能力は最大100回に増加し、ファルコンヘビーの運用も可能になります。

spacenews.com

中国、長征8号Aで衛星打ち上げ成功 長征ロケットシリーズ通算600回目

中国は2025年10月16日、海南省の文昌商業航天発射場から長征8号A遥4ロケットを打ち上げ、衛星インターネットコンステレーション「SatNet（Guowang）」を構成する衛星群を予定軌道に投入しました。今回の打ち上げは、長征ロケットシリーズにとって通算600回目の軌道投入成功となり、中国の宇宙開発における重要な節目となりました。

g.fuxupx.com

SpaceX、Super Heavyのホバーテスト映像を公開

SpaceXは2025年10月15日、公式Xアカウントに「Super Heavy hover」という短いメッセージと共に、スーパー・ヘビー・ブースターがホバリング（空中停止）する様子を捉えた映像を投稿しました。この映像は、スターシップ計画におけるブースターの回収・再利用技術の進展を示すものとして注目されています。

nextspaceflight.com

SpaceX、米宇宙軍SDA向けTranche 1衛星21基の打ち上げに成功

SpaceXは2025年10月15日、ヴァンデンバーグ宇宙軍基地からファルコン9ロケットで、米宇宙開発庁（SDA）の「拡散型戦闘宇宙アーキテクチャ（PWSA）」を構成するTranche 1 Transport Layer衛星21基を打ち上げました。ロッキード・マーティン製のこれらの衛星は、軍用の低遅延通信ネットワークを構築するものです。第1段ブースター（B1093）は7回目の飛行で、太平洋上のドローン船「Of Course I Still Love You」に着陸しました。

news.mynavi.jp

NICTら4社、宇宙-成層圏間の光無線通信実証で連携

情報通信研究機構（NICT）、清原光学、アークエッジ・スペース、ソフトバンクの4社は、宇宙空間と成層圏、地上を結ぶ光無線通信技術の実証に向けた連携協定を締結しました。2026年に低軌道（LEO）実証衛星を打ち上げ、2027年には成層圏プラットフォーム（HAPS）との間で最大10Gbps級の双方向光通信を検証する計画です。

Relativity Space

Relativity Space、再利用型ロケット「Terran R」の開発進捗を報告

3Dプリンターによるロケット製造を目指すRelativity Spaceは、開発中の完全再利用型ロケット「Terran R」の進捗状況を報告しました。Aeon Rエンジンの組み立てや第1段タンクの溶接作業が順調に進んでいることを明らかにしました。同社は事業拡大に伴い、チームの人材募集も積極的に行っています。

uchubiz.com

NASA、月面車(LTV)開発企業を3社から2社に絞り込む可能性

NASAは、アルテミス計画で宇宙飛行士が月面を移動するために使用する月面探査車（LTV）の開発について、現在契約している3社（Venturi Astrolab、Lunar Outpost、Intuitive Machines）の中から2社に絞り込む可能性があると報じられています。最終的な決定は2025年末に行われる見込みです。

space.com

ロシア宇宙飛行士、ISSで船外活動を実施

ロシアの国営宇宙企業ロスコスモスは、2025年10月16日に2名のロシア人宇宙飛行士が国際宇宙ステーション（ISS）で船外活動（EVA）を実施すると発表しました。約5時間半にわたる活動の中で、科学実験装置の設置やモジュールのメンテナンス作業などが行われます。

humans-in-space.jaxa.jp

ISS日本実験棟「きぼう」からキューブサット3基を放出

2025年10月10日、国際宇宙ステーション（ISS）の日本実験棟「きぼう」から、九州工業大学などが開発した3基の超小型衛星（キューブサット）が宇宙空間に放出されました。各衛星は、磁場観測や作物観察、技術実証など、それぞれ独自のミッションを行います。JAXAは放出の様子や関連する宇宙飛行士の対談動画を公開しています。

space.com

小惑星2025 TP5が地球に接近 月より近い距離を通過

2025年10月13日に発見された直径約17メートルの小惑星「2025 TP5」が、10月15日に地球から約9万7000キロメートルの距離を通過しました。これは地球と月の距離よりも近く、NASA/JPLは脅威ではないと報告しています。この小惑星はハワイのATLAS（小惑星地球衝突最終警報システム）によって発見されました。

SpaceX

SpaceXのFalcon 9、ブースター着陸500回を達成

SpaceXは、フロリダ州から打ち上げられたファルコン9ロケットの第1段ブースターの着陸に成功し、これにより同社のロケットブースター着陸成功回数が通算500回に達したと報告しました。これはロケットの再利用技術における歴史的なマイルストーンとなります。

spaceflightnow.com

SpaceX、Starlink 10-52ミッションで衛星28基を打ち上げ

SpaceXは2025年10月16日、ケープカナベラル宇宙軍基地からファルコン9ロケットを使用し、28基のスターリンク衛星（V2 Mini）を低軌道へ打ち上げました。使用された第1段ブースター（B1095）は今回が3回目の飛行で、打ち上げ後、大西洋上のドローン船「Just Read the Instructions」への着陸に成功しました。これにより、スターリンク衛星コンステレーションの総数は約8,600機に達しました。