宇宙ニュース要約: 2025年10月15日

ロスコスモスの宇宙飛行士、ISSで船外活動を実施

ロシアの国営宇宙企業ロスコスモスの宇宙飛行士2名が、国際宇宙ステーション（ISS）で船外活動を実施します。活動では、ロシアの科学実験モジュール「ナウカ」へのペイロード設置や、サービスモジュール「ズヴェズダ」からのカメラ撤去など、約5時間半にわたる作業が予定されています。

CNSA Watcher

中国Deep Blue Aerospace、再利用型ロケットエンジン「Thunder RS」の燃焼試験に成功

中国の民間宇宙企業Deep Blue Aerospaceは、自社開発した推力130トンの再利用可能なケロシン・液体酸素エンジン「Thunder RS」の20秒間の燃焼試験に成功したと発表しました。このエンジンは、2026年に初飛行を予定している同社の再利用型ロケット「星云二号」に搭載される予定です。

sorae.info

小惑星「2025 TF」、観測史上2番目の近さで地球を通過

2025年10月1日に発見された直径約1.3～2.8メートルの小惑星「2025 TF」が、発見される約6時間前に南極上空約409kmという極めて近い距離を通過していたことが判明しました。これは、地球に衝突しなかった小惑星としては観測史上2番目に近い接近記録となります。

news.mynavi.jp

XENONnT実験、暗黒物質探索に向け背景ノイズの大幅低減に成功

イタリアのグランサッソ地下研究所で行われている暗黒物質探索実験「XENONnT」が、検出器内の放射性背景ノイズ（バックグラウンド）を大幅に低減することに成功しました。液体キセノン中のラドン濃度を極めて低いレベルに抑えたことで、WIMPなどの未知の素粒子が起こす稀な事象を捉える感度が飛躍的に向上すると期待されています。

uchubiz.com

宇宙建築スタートアップのSpace Quarters、シードラウンドで7.5億円を調達

東北大学発の宇宙建築スタートアップであるSpace Quartersは、シードラウンドで7.5億円の資金調達を実施したことを発表しました。同社は、軌道上や月面で大型構造物を建設するための電子ビーム溶接ロボット「DAIQ」を開発しており、調達した資金を開発体制の強化や2027年以降の宇宙実証に充てる計画です。

sorae.info

ESA、太陽系外惑星探査機「Plato」の組み立て完了を発表

欧州宇宙機関（ESA）は、ハビタブルゾーンに存在する地球サイズの太陽系外惑星を探査する宇宙望遠鏡「Plato」の組み立てが完了したと発表しました。Platoは26台の高性能カメラを搭載しており、最終試験を経て2026年12月にアリアン6ロケットで打ち上げられる予定です。

CNSA Watcher

中国、海上からGravity-1ロケットの打ち上げに成功

2025年10月11日、中国の民間企業オリエンスペースは、山東省海陽市沖の海上発射プラットフォームから、固体燃料ロケット「Gravity-1」の打ち上げに成功しました。この打ち上げにより、広視野衛星1機と実験衛星2機が軌道に投入されました。

SpaceX、Amazonのプロジェクト・カイパー衛星24基を打ち上げ

2025年10月13日夜（EDT）、SpaceXはフロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地からファルコン9ロケットを打ち上げ、Amazonの衛星インターネット計画「プロジェクト・カイパー」のための衛星24基を軌道に投入しました。打ち上げ後、第1段ブースターは大西洋上のドローン船に正常に着陸しました。

uchubiz.com

NASAジェット推進研究所(JPL)、組織再編の一環で約550人を解雇

NASAのジェット推進研究所（JPL）は10月13日、組織再編の一環として約550人の職員を解雇すると発表しました。これは全職員約5,500人の約11%に相当し、技術職、事務職、支援職などが対象となります。JPLはこの措置を政府機関の一時閉鎖とは無関係な、組織の効率化と中核能力への集中を目的としたものと説明しています。背景には、火星サンプルリターン（MSR）計画の遅延や費用超過、NASA全体の予算の不確実性があるとみられており、米国の宇宙科学への影響を懸念する声も上がっています。

www.prnewswire.com

ユナイテッド航空、ボーイング737型機でStarlinkの機内Wi-Fiサービスを開始

ユナイテッド航空は、ニューヨーク/ニューアーク発ヒューストン行きの便で、初めてSpaceXのStarlink衛星インターネットサービスを搭載したボーイング737-800型機を運航しました。これにより、乗客は上空30,000フィートでもストリーミングやオンラインゲームが可能な高速・低遅延のインターネット接続を利用できるようになります。

space.com

彗星 C/2025 A6 (Lemmon)が地球に接近中肉眼での観測も期待

彗星 C/2025 A6 (Lemmon)が地球に接近しており、10月21日に最接近、11月8日に近日点を迎えます。明るさは約5.1等級に達すると予測され、空の暗い場所では肉眼で観測できる可能性があります。最近、天文写真家によって太陽風の影響で尾が大きく引き裂かれる「ディスコネクション・イベント」の様子も撮影されました。

english.news.cn

中国、長征2D号ロケットで試験31号衛星の打ち上げに成功

2025年10月13日午後6時（北京時間）、中国は酒泉衛星発射センターから長征2D号ロケットを打ち上げ、試験31号衛星を予定軌道に投入することに成功しました。この衛星は、新たな光学撮像技術の軌道上での検証を目的としています。今回の打ち上げは、長征ロケットシリーズにとって599回目の飛行となりました。

space.com

太陽黒点から複数のCMEが発生 10月15-17日に地球到達の可能性

太陽の活動領域である黒点AR4246から4つのコロナ質量放出（CME）が発生し、10月15日から17日にかけて地球に到達すると予測されています。複数のCMEが重なることで影響が増幅される可能性があり、G1レベル（軽度）の磁気嵐を引き起こして、高緯度地域でのオーロラ観測や衛星運用への軽微な影響が懸念されます。

space.com

ESAのSwarm衛星、南大西洋異常域(SAA)の拡大と磁場減衰を観測

欧州宇宙機関（ESA）の地磁気観測衛星コンステレーション「Swarm」のデータから、地球の磁場が弱い領域である「南大西洋異常域（SAA）」が過去10年間で拡大し、特に2020年以降、磁場の減衰が加速していることが明らかになりました。この領域では、衛星や国際宇宙ステーションが太陽からの高エネルギー粒子による放射線被曝や通信障害のリスクが高まります。

news.mynavi.jp

Rocket Lab、SynspectiveのSAR衛星7号機「Owl New World」の打ち上げに成功

Rocket Labは2025年10月14日(EDT)、ニュージーランドのマヒア半島にある発射場からElectronロケットを打ち上げ、日本のSynspective社が開発した小型合成開口レーダー（SAR）衛星7号機「Owl New World」を予定軌道へ投入することに成功しました。打ち上げから約50分後に衛星は正常に分離され、通信・制御が確認されました。この衛星はSynspectiveの第3世代量産型であり、同社は2030年までに30機の衛星コンステレーション構築を目指しています。Rocket Labにとって2025年で15回目の成功した打ち上げとなりました。

news.mynavi.jp

HondaJet、持続可能な航空燃料(SAF)100%での試験飛行に成功

Hondaの航空機事業子会社であるホンダエアクラフトカンパニーは、ビジネスジェット機「HondaJet」において、持続可能な航空燃料（SAF）を100%使用した試験飛行に成功しました。試験では従来のジェット燃料と同等の飛行性能が確認され、航空業界における脱炭素化の推進に貢献する成果となります。

Relativity Space

Relativity Space、再利用型ロケット「Terran R」の開発進捗を報告

Relativity Spaceは、3Dプリント技術を活用した再利用型ロケット「Terran R」の開発に関する進捗状況を報告しました。初号機の推力構造が370万ポンドの張力試験に合格し、Aeon Rエンジンの燃焼試験もミッション相当の時間で成功しました。また、ケープカナベラル宇宙軍基地では、水平統合施設や避雷塔の建設が進んでいます。

spaceflightnow.com

SpaceX、米宇宙開発庁(SDA)向け衛星打ち上げを悪天候で延期

SpaceXは2025年10月14日にカリフォルニア州のヴァンデンバーグ宇宙軍基地から予定していた、米宇宙開発庁（SDA）の衛星コンステレーション「PWSA」を構成する衛星21基の打ち上げを、悪天候のため翌15日以降に延期しました。このミッションは「Tranche 1 Transport Layer C」と呼ばれ、ロッキード・マーティンが製造した衛星をファルコン9ロケットで打ち上げる計画でした。

CNSA Watcher

中国LandSpace、再利用型ロケット「朱雀3号」を発射台に設置

中国の民間宇宙企業LandSpace（藍箭航天）が、開発中のステンレス製・再利用型ロケット「朱雀3号（Zhuque-3）」の機体を発射台に設置しました。ランディングレッグ（着陸脚）を備えた完全な形での公開は初めてとみられ、11月中旬の打ち上げが期待されています。

www.satellitetoday.com

Impulse Space、中規模輸送に対応する月着陸機計画を発表

米国の宇宙輸送企業Impulse Spaceは、月面へ約3トンの貨物を輸送できる新しい月着陸機を発表しました。同社の軌道間輸送機「Helios」と組み合わせることで、現在市場に空白のある中規模の月輸送ニーズに応えることを目指します。サービスの開始は2028年を予定しています。

www.upi.com

K2 Space、SpaceXと契約し2027年に多軌道実証ミッション「Trinity」を実施

米国の宇宙スタートアップK2 Spaceは、SpaceXと契約し、2027年に専用のファルコン9ロケットで3機の衛星を打ち上げる「Trinity」ミッションを実施すると発表しました。このミッションでは、低軌道（LEO）、中軌道（MEO）、静止トランスファ軌道（GTO）という3つの異なる軌道に衛星を投入し、単一の衛星バスで多様な軌道に対応できることを実証します。同社は低コストな衛星バスで軍事・商業両方の需要を狙っています。

keyt.com

米空軍、ヴァンデンバーグ基地のSpaceX打ち上げ回数を年間最大100回に増やす計画を承認

アメリカ空軍は、カリフォルニア州のヴァンデンバーグ宇宙軍基地におけるSpaceXのファルコンロケットの打ち上げ頻度を、年間最大100回に増加させる計画を承認しました。この計画には、SLC-6発射台の再整備やファルコンヘビー対応、2つの新しい着陸ゾーンの建設などが含まれており、地域の経済効果も期待されています。

Blue Origin

Blue Origin、月着陸機「Blue Moon MK1」ミッションの最終訓練を実施中

Blue Originは、月着陸機「Blue Moon MK1」ミッションの最終訓練段階に入ったことを発表しました。ワシントン州にあるミッションコントロールセンターでは、管制官が打ち上げから月面着陸、地表での運用に至るまでの一連のフライト手順をシミュレーションし、本番に備えています。

europeanspaceflight.com

スペインのPLD Space、「MIURA 5」ロケットの初飛行を2026年に予定

スペインの民間企業PLD Spaceは、開発中の小型ロケット「MIURA 5」の初飛行を2026年に予定していることを明らかにしました。エンジンの燃焼試験やタンクの強度試験などを完了しており、フランス領ギアナの宇宙センターからの打ち上げを目指しています。

g.fixupx.com

SpaceX、スターシップ11回目の飛行試験に成功 V2を退役させV3へ移行

SpaceXは10月13日、スターシップの11回目の統合飛行試験（Flight 11）を実施し、主要目標を全て達成しました。ブースター「スーパー・ヘビー」はメキシコ湾へ、上段の「シップ」はインド洋へ、それぞれ制御された形での着水に成功しました。また、シップの再点火やダミーペイロードの展開も行われました。今回の飛行はスターシップV2の最終フライトとなり、今後はRaptor 3エンジンを搭載し大型化されたV3に移行します。V3は2026年の火星飛行を目指しており、将来的には発射塔のアームによる機体回収も計画されています。