宇宙ニュース要約: 2025年11月10日

spacenews.com

中国、長征12号で衛星インターネット「Guowang」の打ち上げに成功

2025年11月10日、中国は海南省の文昌商業宇宙発射場から「長征12号」ロケットを打ち上げ、衛星インターネットコンステレーション「Guowang（国網）」を構成する低軌道衛星13組を予定軌道に投入することに成功しました。

investors.voyagertechnologies.com

Voyager、4.35億ドルの転換社債を発行

Voyagerは、2030年満期の転換社債（コンバーティブル・シニアノート）の発行額を総額4億3500万ドルに増額したと発表しました。調達した資金は、関連するヘッジ取引や自社株の買い戻しなどに充当される予定です。

fireflyspace.com

Firefly Aerospace、防衛AI企業SciTecを買収し国家安全保障分野を強化

Firefly Aerospaceは、防衛分野向けにAIソフトウェアやビッグデータ処理技術を提供するSciTec社を現金と株式で買収したと発表しました。この買収により、Fireflyは自社の打ち上げ・軌道上サービスとSciTecのデータ解析能力を統合し、国家安全保障分野での事業を強化します。

ispace-inc.com

ispace、宇宙戦略ファンドの月面基地建設プロジェクトに選定

株式会社ispaceは、立命館大学が主導する「月面基地建設実現のための測量・地盤調査技術確立」プロジェクトが宇宙戦略ファンドに選定されたことを発表しました。また、同社の米国法人ispace-U.S.は、2027年に予定されている月着陸ミッション3の成功率向上のため、宇宙分野の専門家からなる常設審査委員会（SRB）を設置しました。

www.airbus.com

アリアン6、Copernicus衛星Sentinel-1Dの打ち上げに成功

2025年11月4日、アリアン6ロケットが仏領ギアナの宇宙センターから打ち上げられ、欧州の地球観測計画「コペルニクス」のレーダー衛星「Sentinel-1D」を太陽同期軌道へ正常に投入しました。これはアリアン6にとって3回目の商業飛行であり、連続成功となります。

uchubiz.com

Solar Foods、微生物由来タンパク質「Solein」のISSでの実証試験へ

フィンランドのフードテック企業Solar Foodsは、欧州宇宙機関（ESA）の資金提供を受け、OHB社と共同で、国際宇宙ステーション（ISS）での実証実験を目指すプロジェクトを開始しました。空気中の二酸化炭素と水素から微生物を利用して生産するタンパク質「Solein」を、無重力環境下で生成する技術を開発し、将来の長期宇宙探査における食料自給への貢献を目指します。

spacenews.com

中国の民間ロケットCeres-1、打ち上げに失敗

2025年11月10日、中国の民間宇宙企業ギャラクティック・エナジー社が酒泉衛星発射センターから打ち上げた「Ceres-1 Y19」ロケットは、第4段エンジンが早期に停止したため、搭載衛星の軌道投入に失敗しました。同社は原因を調査中です。

space.com

ブルーオリジン、New GlennによるNASA火星探査機ESCAPADEの打ち上げを悪天候で延期

ブルーオリジンの大型ロケット「New Glenn」の2号機（NG-2）によるNASAの火星探査機「ESCAPADE」の打ち上げが、11月9日に悪天候（積雲ルール）や地上支援設備の不具合により中止・延期されました。次の打ち上げは11月12日以降に再設定されましたが、米連邦航空局（FAA）からの例外承認が必要となります。この遅延により、ESCAPADEは当初の計画を変更し、一度地球周回待機軌道に入った後、2025年11月に火星へ向かうことになります。

space.com

太陽で大規模X級フレア発生、地球で磁気嵐の可能性

2025年11月9日と10日に、太陽でX1.7およびX1.2の強力なXクラスフレアが相次いで発生しました。これに伴うコロナ質量放出（CME）が地球に向かっており、11月10日から12日にかけてG1からG2レベルの磁気嵐を引き起こす可能性があります。衛星通信や電力網への影響が懸念される一方、高緯度地域でのオーロラ観測が期待されます。

keckobservatory.org

Keck天文台、若い星の円盤に惑星形成の兆候となるギャップを発見

ハワイのW. M. Keck天文台は、若い恒星「HD 34282」を取り巻く原始惑星系円盤を詳細に観測し、中心星から約40天文単位の距離に明確なギャップ（隙間）を発見しました。このギャップは、現在進行形で惑星が形成されている領域である可能性を示唆しています。

investor.iridium.com

IridiumとVodafone IoTが提携、2026年に衛星D2Dサービス開始へ

衛星通信大手のIridiumは、Vodafone IoTと提携し、衛星を利用したNB-IoTおよび端末直接通信（D2D）サービスを提供すると発表しました。2026年の商用化を目指しており、これにより地上インフラのない遠隔地でも低消費電力でのIoT接続が可能になります。

www.innospc.com

INNOSPACE、商用ロケット「HANBIT-Nano」を11月22日に打ち上げ目標

韓国のスタートアップINNOSPACEは、同社初の商用ロケット「HANBIT-Nano」の初号機を、2025年11月22日にブラジルのアルカンタラ射場から打ち上げることを目標としています。このミッションでは、8件のペイロードを搭載し、高度300kmの低軌道を目指します。

Airbus Space

エアバス、アルテミスIVミッション用サービスモジュール4号機をNASAへ発送

エアバス社は、NASAのアルテミスIVミッションでオリオン宇宙船に電力を供給する「欧州サービスモジュール4号機（ESM-4）」を完成させ、ドイツのブレーメン工場から米国フロリダ州のケネディ宇宙センターへ向けて発送しました。ESM-4は、月周回宇宙ステーション「ゲートウェイ」への人員・物資輸送を支援します。

g.fixupx.com

SpaceXスターベース、発射台Pad 2の準備とStarshipブロック3への移行が進行

米テキサス州にあるSpaceXの開発・製造拠点「スターベース」では、2基目となる軌道打ち上げ台（Pad 2）の建設が進んでいます。同時に、次世代機「ブロック3」への移行が進められており、ブースターB18の組み立てや各種試験が進行中です。同社幹部によると、次回のStarshipの飛行試験は2026年1月が目標とされています。

www.airbus.com

ESAトマ・ペスケ宇宙飛行士、アルテミス計画参加に向けテストパイロット資格取得へ

欧州宇宙機関（ESA）のトマ・ペスケ宇宙飛行士が、エアバス社のフライトテストスクールに参加し、テストパイロットの資格取得を目指すことが明らかになりました。この資格は、将来のNASAのアルテミス計画による月探査ミッションの搭乗員候補となる上で有利に働くと見られています。

www.itic.org

ITI、米国の宇宙競争力強化に向けた提言報告書を発表

米国の情報技術産業協議会（ITI）の宇宙企業評議会は、報告書『大国間競争時代における米国の宇宙競争力の推進』を発表しました。報告書では、米国の宇宙における世界的優位性を強化するため、同盟国との連携、規制・調達プロセスの簡素化、サプライチェーンの強靭化などを提言しています。

Ace of Razgriz

中国の再使用型ロケット「朱雀三号」、11月下旬に初飛行へ

中国の民間宇宙企業LandSpaceが開発する再使用型ロケット「朱雀三号」が、2025年11月中下旬に初の飛行試験を行う予定です。ステンレス鋼製の機体で液体酸素とメタンを推進剤としており、中国初の商業的な再使用ロケットとなることを目指しています。

arkedgespace.com

アークエッジ・スペース、地上IoT端末から衛星への直接データ送信に成功

株式会社アークエッジ・スペースは、地上に設置した省電力のIoT端末から、同社が開発・運用する超小型衛星「AE-1c」へのデータ直接送信に成功したと発表しました。この技術により、携帯電話の電波が届かないエリアでも、環境モニタリングや物流追跡などのデータ収集が可能になることが期待されます。

www.nasaspaceflight.com

NASAのTESS、連星系で地球サイズの系外惑星を2個発見

NASAのトランジット系外惑星探索衛星（TESS）が、約72光年離れた連星系「TOI-2267」において、地球サイズの系外惑星を2つ発見しました。近接した2つの恒星を持つ環境でも岩石惑星が形成されうることを示す重要な発見です。

news.cision.com

GomSpace、第3四半期決算で黒字化し通期見通しを上方修正

超小型衛星メーカーのGomSpaceは、2025年第3四半期決算で売上高が前年同期比94%増となり、EBITDAベースで黒字化を達成したと発表しました。好調な業績を受け、同社は2025年通期の売上高見通しを上方修正しました。また、北米法人は大手事業者から150万ドルの部品受注を獲得しました。