SpaceXのStarlinkは、アフリカと韓国で低軌道衛星通信サービスの展開を加速しています。アフリカでは通信大手Vodacomと提携し、企業向けにサービスを提供。韓国では国内でのサービス開始に向け、子会社設立や事業者登録などを完了させており、年内の本格展開が見込まれています。
ブルーオリジンは、NASAの火星探査機「ESCAPADE」を搭載した大型ロケット「New Glenn」2号機の打ち上げを、悪天候に続き大規模な太陽嵐の影響で再延期しました。当初11月9日に予定されていましたが、複数回延期され、新たな打ち上げ日時は宇宙天気と射場の状況を見て決定されます。このミッションはNew Glennにとって2回目の飛行であり、ブースターの着陸・回収による再利用を目指しています。
Amazonの衛星ブロードバンド計画「Project Kuiper」は、農業技術企業Connected Farmsとの提携を発表しました。これにより、Kuiperの衛星通信技術を農業分野に活用し、遠隔地の農場における機器監視やセンサーデータのリアルタイム収集、AIや自動化の導入を支援します。2026年から英国と北米で試験運用が開始される予定です。
ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)は、通信衛星「ViaSat-3 F2」を搭載したアトラスVロケットの打ち上げを11月13日以降に延期しました。前回の打ち上げ中止の原因となった液体酸素タンクのバルブ交換作業が完了したことによるもので、新たな打ち上げウィンドウが設定されました。
ロケット開発スタートアップのRelativity Spaceは、衛星通信大手SESと、開発中の再利用型ロケット「Terran R」による複数回の打ち上げ契約を締結しました。この契約拡大により、SESは次世代通信衛星の打ち上げを確保し、Relativity Spaceは大型契約を獲得したことになります。Terran Rの初打ち上げは2026年末に予定されています。
NASAのTESS衛星とESAのGaia衛星のデータを組み合わせた研究により、プレアデス星団(和名:すばる)が、これまで知られていた星々に加え、数千の仲間を含む巨大な星の集団「大プレアデス複合体」であることが示唆されました。星の自転速度を年代測定に利用する新しい手法で、星団が従来考えられていたよりも約20倍広く広がっている可能性が明らかになりました。
米下院のゾーイ・ロフグレン議員は、NASAの主要な研究拠点であるゴダード宇宙飛行センターが閉鎖されるとの「憂慮すべき報告」を受け、NASA長官代行に書簡を送付しました。議員は施設の即時閉鎖停止と、監察官室による調査を要請しており、ローマン宇宙望遠鏡などの重要ミッションへの影響を懸念しています。
Firefly Aerospaceは、9月に行われたAlphaロケット初段の地上試験で発生した燃焼事象の原因が、組み立て時のプロセスエラーによる微量な炭化水素汚染だったと発表しました。設計上の欠陥ではなく、点検強化などの対策を講じた上で、別の機体を使用して2025年末から2026年初頭の打ち上げを目指します。
インド宇宙研究機関(ISRO)は、開発中の有人宇宙船「Gaganyaan」の乗員モジュールに関するパラシュート統合投下試験に成功しました。輸送機から模擬カプセルを投下し、複数のパラシュートが正常に作動することを確認しました。ISROは2026年1月の初の無人飛行、2027年の初の有人飛行を目指しています。
中国の有人宇宙船「神舟20号」は、微小な宇宙デブリが衝突した可能性があり、安全評価のため地球への帰還が延期されました。乗組員3名は健康で、宇宙ステーション「天宮」に滞在を延長し、神舟21号のクルーと共に実験を継続しています。中国当局は帰還に向けた準備を進めており、東風着陸場周辺の空域を一時閉鎖する動きも見られます。
中国の民間宇宙企業i-SPACE(星際栄耀)は、開発中の再利用型ロケット「双曲線3号」の直径5.2mの大型フェアリング分離試験に成功したと発表しました。試験はスムーズに進行し、設計要件をすべて満たしたとのことです。
スマートフォンと衛星を直接通信させるD2D(Direct-to-Device)サービスを手がけるLynkとOmnispaceが合併し、衛星通信大手SESがその筆頭株主となることが明らかになりました。運用実績のあるLynkと周波数帯を持つOmnispaceが統合することで、D2D市場での競争力強化とサービス化の加速が期待されます。
JAXA筑波宇宙センターは、2025年11月8日に施設を一般に公開する特別公開イベントを開催しました。多くの来場者があり、様々な展示や企画を通じて日本の宇宙開発の最前線が紹介されました。イベントの様子はミニ活動レポートとして公開されています。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、準天頂衛星「みちびき」5号機を搭載したH3ロケット8号機を、2025年12月7日に種子島宇宙センターから打ち上げる計画を発表しました。みちびき5号機が軌道に投入されることで、日本の衛星測位システムの精度がさらに向上することが期待されます。
2025年12月6日に、宇宙業界に特化したキャリアイベント「SPACETIDE Career Connect 2025 Winter」が東京で開催されます。宇宙飛行士の若田光一氏らを招いたトークセッションや、多数の宇宙関連企業のブース出展が予定されており、宇宙産業でのキャリアに関心を持つ人々にとって貴重な機会となります。
米フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地は、2025年のロケット打ち上げ回数が94回に達し、年間の最多記録を更新しました。特にSpaceXによるStarlink衛星の大量打ち上げが回数を押し上げており、世界の軌道上への質量投入の大部分を占めています。
フランス・トゥールーズを拠点とする小型衛星メーカーのU-Spaceが、シリーズAの資金調達ラウンドで2400万ユーロを確保しました。同社はこの資金を活用して、小型衛星コンステレーション向けの量産体制を強化し、2027年までに週1基の生産を目指します。アジア太平洋や中東市場への展開も計画しています。
欧州宇宙機関(ESA)は、XMM-Newton宇宙望遠鏡などを用いて、太陽以外の恒星(赤色矮星)から初めてコロナ質量放出(CME)を観測したと発表しました。このCMEは非常に高エネルギーで、近傍にある惑星の大気を剥ぎ取る可能性があり、赤色矮星の周りの惑星における生命存在の可能性に影響を与える発見です。
Rocket Labは、開発中の中型再利用ロケット「Neutron」の初飛行を2026年に延期すると発表しました。機体は2026年第1四半期に米バージニア州のワロップス射場に搬入され、試験を経て打ち上げられる予定です。初飛行は顧客ペイロードを搭載せず、第1段の着陸も行わないデモンストレーションとなります。
約2200万光年先の銀河で発生した超新星「SN 2024ggi」において、星の内部からの衝撃波が表面を突き破る「衝撃波ブレイクアウト」の瞬間が初めて観測されました。この観測により、爆発初期の形状が比較的対称的であることが明らかになり、超新星爆発のメカニズム解明に重要な手がかりを与えました。
宇宙貨物輸送を手がけるAtmos Space CargoとSpace Cargo Unlimitedは、2026年にSpaceXのライドシェアミッションを利用して、再突入可能な貨物カプセル「Phoenix 2」を打ち上げる計画を発表しました。このミッションは、国際宇宙ステーション(ISS)に依存しない微小重力下での研究や製造プラットフォームの構築を目指すものです。
ハッブル宇宙望遠鏡が、りょうけん座の方向、約8億光年先にある相互作用する銀河のペア「IC 4271」の画像を撮影しました。大きな渦巻銀河とその伴銀河が重なり合う様子が捉えられており、銀河内の塵の役割を調べる研究の一環として観測されました。
大手ゼネコンの竹中工務店は、12月10日から東京で「宇宙のくらしをつくる建築展」を開催します。月面での長期滞在モジュールや宇宙農場、月面都市構想など、同社が研究開発を進める未来の宇宙建築技術を紹介する展示となります。
フランスのマクロン大統領は、新たな国家宇宙戦略を発表し、宇宙を安全保障上の「戦場」と明確に位置づけました。これに伴い、軍事宇宙関連の支出を大幅に増額し、偵察衛星や対衛星防衛能力の強化、レーザー兵器などの導入を進める方針です。欧州との連携を軸としつつ、宇宙における主権維持を目指します。
ロシアが開発中の新型中型ロケット「Soyuz-5」が、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地に到着しました。環境に配慮した推進剤を使用し、将来の有人飛行も見据えています。初飛行は12月末に予定されており、2028年からの本格運用開始を目指しています。
Relativity Spaceは、3Dプリント技術を駆使して開発中の大型再利用ロケット「Terran R」の製造が順調に進んでいることを報告しました。第1段燃料タンクの溶接完了や、第2段の組み立て、各種電子機器の設計リリースなど、開発が着実に進行している様子が公開されました。
さくらインターネットは、衛星データの取得から処理、共有までをクラウド上で一元的に行える法人向けサービス「Tellus Pro」の提供を開始しました。このサービスにより、利用者は複数の衛星データを横断的に扱いやすくなり、データ提供者の運用負担も軽減されます。今後、対応する衛星の種類を順次拡大していく予定です。
SpaceXは、超大型ロケット「Starship」の開発を進めるテキサス州の拠点「スターベース」において、液体窒素を用いた極低温耐圧試験を行うための試験台を、試験場から生産施設へ移送しました。これはStarshipの量産と、次期バージョンであるV3の機体試験に向けた準備の一環とみられます。
欧州のアリアンスペースは、2025年11月28日にVega Cロケットを用いて、韓国の地球観測衛星「KOMPSAT-7」を打ち上げることを発表しました。KOMPSAT-7は、高解像度の観測能力を持つ衛星で、韓国政府や研究機関のニーズに応えることを目的としています。
太陽の複数のコロナ質量放出(CME)と大規模な太陽フレアにより、G4(激しい)レベルの強い地磁気嵐が発生しました。この影響で、通常は高緯度でしか見られないオーロラが、米国のフロリダやテキサス、欧州のメキシコなど、非常に低い緯度の地域でも観測されました。この太陽嵐は通信や航法システム、電力網への障害を引き起こす可能性があり、警戒が呼びかけられました。